ぼくが願うこと《まち言その②》

どーもどーもｗ　『まーちの独り言シリーズ』第二弾！
今回から、シリーズ名が長いので『まち言』と略させていただきますｗ


さっきご主人が『スタバ行ってくるー』と車を降りたので15分は戻らないと思われるｗｗ

にゅっふふふｗｗ　何喋ろうかな~。


あ、オイルは明日換えてもらえることになりましたわーい



＊＊＊＊＊


『あーもうバカ！！バカバカバーカっ意気地なしー』

さっきからもう聞き飽きたって、それ。
しかも言ってることが小学生の喧嘩みたいじゃん。

で、怒るのは構わないんだけど、ぼくのハンドル殴るのやめてくれない？・・・痛い


でもぼくは知ってるんだ。ご主人の『バカ』は決して本心じゃないってことを。


大阪に来て思ったことなんですけどね、関東と違ってこっちの人は『バカ』をほとんど使わない。

その代わり『アホ』はよく聞く。　関東ではあんまり好かれない言葉だけど、関西人は『バカ』の方がムカつくらしい。

それは関西生まれ関西育ちのご主人にも言えることで、『バカ』なんて使うときはおどけているときか、とりあえず何か悪態をつきたいときだ。間違っても本気で使っていない。


ご主人がこんなにも怒っている発端は、ぼくのご飯だった。

『今日は早く帰るぅー』なんて言いながら仕事に向かったのに、ぼくのところに戻ってきたのはいつもとあんまり変わらない。

戻ってきたご主人からはふんわりと良い匂いがした。たぶんハンドクリームなのだろうけど、週に何度か匂いが変わる。

(今日もしかして・・)と思っていたら案の定、

『まーちゃんお腹すいたなぁ。ご飯行こか』


やったーーーーーーーーーーー　　でもぬか喜びしてはいけない。

そのあとに『ほな鎌パス行こか』なんて告げられたりする。笑　　　・・・あんたのご飯かい


今日はぬか喜びに終わらなかった。


ぼくらは人間と違ってあまりグルメではないので、正直どこのでもそんなにこだわりはない。
ただ満たしてくれればそれでいいのだ。

でもご主人はぼくをいつも同じところに連れて行く。最近は少し回数も減ったけれど。


『あ・・』

入った瞬間、息をのむのが気配でわかった。
ぼくが朝よく出会う車がそこにいたからだ。

『まーち君どうしよう・・・』


知らん。笑


ぼくが停まった先に見覚えのある人がいた。
もう半年以上会っていなかったけれど、ぼくの世話を焼いてくれていた人だ。

ご主人ともよく話をしていたから、よく知っている。

ぼくは早く帰りたいのに、話し込んでなかなかエンジンを掛けてくれないなんてこともあった。


思うにご主人は、この人に会いたいからいつもぼくをここに連れてくるのだろうな~。
だって、ご主人の顔が違うもの。　あんな顔で笑うご主人をあんまり見ない。

でも、人間はいろいろ複雑らしい。
春以降ぷっつりと会いに行くのをやめてしまった。

詳しいことはぼくにはわからないけれど、最後に会った日、帰り道にやたらご主人がコワれていたのは覚えている。


喧嘩でもしたのかと思った。　でも違うみたいだ。


それでも前を通るたびに小さくため息をつくのは聞こえていたし、タンクローリーを街で見かければ(おうちが主要幹線道路の近くだから結構見るんだけど)

『あぁ~もう』となんかどうしようもない情けない声を出してもいた。


『あぁ~会いたいよぉ』なんて何度聞いたことか。
じゃぁ行けばいいじゃん、と思うけど、なかなか決心が着かないらしく、いつも仕事が遅くなった日にしかそこに行かない。


その人はもうこれからおうちに帰るところらしい。
だんだんとこっちに近づいてくる。


距離に比例して、なんだかご主人の様子がおかしい。

これからぼくのご飯タイムなのにドアを開けて外に出て、

『あ、開けてない』とあわててフタのレバーを引いて、ドアを閉めてから、また『あ！』とドアを開け、

『財布・・・』


どれだけテンパってんの


てっきり喋るんだろーな、またぼくご飯終わってもすぐに帰れないかな・・・と思っていたら、


びっくりした。
あんな哀しそうな顔を初めてみた。


ぼくは当たり前ながら前しか見えないので(最近はね、Rに入れると後ろも見えるスゴい奴いるけどね！うちのご主人お金ないからそんな良いのつけてくれないの・・)
ぼくの鏡を通り越したら、何が起こっているのかまったく見えないけど・・

周りの音とかから判断するに・・

ご主人と話もせず、光のように帰ってしまった・・のかな。

ぼくはといえば・・

(ね！いたよ！健康診断お願いしてくれるよね？？)と訴えてたのに・・・ご主人スルー

おまけに戻ってきてため息をつくと、

『ごめん、オイル今度ね』とぼそっとつぶやいたっきり、とろとろと発進し、道路に出て速度をあげるや否や、さっきの悪態。


で、最後に『もう・・あかんなぁ。・・・あかんわ』


もうーーーー元気だしなよっ


ご主人のため息が尽きる日はもう少し先なのだろうけど、ご主人は少し何かを決めたみたいだった。


ぼくが偉そうなこと言う筋合いはないけれど、忘れるのに時間はかかっても、常に心を開いておくべきだっていうこと。
でないと、また素敵な人が現れても良さに気が付かないかもしれないじゃん？

それはもったいない！


ぼくとしては『まーちゃん、どこでもいっしょー』なのは嬉しいけど、やっぱりぼく以上にいっしょーな人といてもらいたいからね。

二人乗る方がバランスはいいでしょ？　　・・・すぐお腹はすくけど。笑


あ、帰ってきた

じゃぁまたねーｗｗ