お互いのペースをたいせつに

久しぶりに人を好きになると、色んなことがちょっと苦しい。



残業続きの毎日の疲れからか、普段は何てことない些細な段差で足がうまく上がらず、毛躓いて派手に転んでしまった。


その途端に、彼から透けて見える内心の狼狽。

付き合いが長い人であれば、私がコケることはそう特別なことではないとわかっているし、変わらないトーンで「大丈夫？」と言って終わりだったりする。

よくあることなので、よほどケガをしているとかでなければ、こっちも普通通り振舞ってほしい、というのが正直なところだ。


でも、そう説明して頭では理解してくれても、やっぱり人が自分のそばで思いっきりコケるなんて経験は早々しない。
だから大抵の人間はうろたえる。


別に彼の反応が特別珍しいわけでもない。

ましてや、知り合って一年とちょっと。自分の体のことについても腹を割って話す時間も機会もなかなかなかった。
機会があれば喋るのが関の山。そんな感じ。


私の視界の隅には、差し出そうかどうしようか逡巡しているのがありありとわかる手がある。

いっそのこと、私からのばせばよかったか。

「いったー腕借りますね！」とかなんとか言って。



でも、ねぇ。そんなことできないキャラであることは、自分が一番よくわかっている。

何でもないことのように立ち上がって、

自分で汚れた膝をパンパン払う。


相手のことを詳しくはまだ知らないけれど、時折話をするだけでも、優しさがにじみ出ているのがわかる。

その、優しさが、今は少し痛かった。


明らかに心配そうなまなざし。加えて『俺、歩くん速い？』


嬉しくて哀しくて泣きたくなった。


よくあることだから、大丈夫。心配しなくていいよ。
それをどうしたら的確に言えるだろう。


自分のペースで歩いていいよ。どこかで追いつくから。


私に合わせて疲れてしまうなら。コケないか神経をすり減らすようなことになるなら。
長くは続かないと知っているから。

だから貴方に心配しないでほしい。　　まだわかってもらうには時間がかかるかな。


鋭い切なさを含んだ朝日がジリジリと背中を焼いた。




追記：ほぼ１年後。

こんなこと思ってたなぁ。と懐かしく編集しています。

いい意味で慣れ、なのでしょう。

狼狽が透けて見えていた人は、私がコケてもほぼほぼうろたえなくなりました
むしろ、どっしり構えてくれていて、頼もしい

あれから紆余曲折を経て、９裏ツーアウトから、逆転サヨナラ場外ホームランってところでしょうか。

自分の人生で一番の奇跡なんじゃないのか、と思っています。

ちなみに二番目の奇跡は、第一志望の大学に受かったことｗ


まぁでも、奇跡が起きて終わり、起こしてゴールではないですよね。むしろ、ここからが勝負だったりする。


昔は自分の未熟さゆえに、手放してしまった関係もあったりもした。
ぶつかることを恐れて、何も動かなくてただ終わりを待ったことも。

でも、もう自分もええ大人ですしね。

つまらない意地を張ったり、自分の中の恐れから相手を突っぱねて、自分から奇跡を壊したりしないように、努力していかんとな、と思っています。

月のせいなんかじゃない

ふと、こんな一句が浮かびました。


嘆けとて　月やはものを思はする　　かこち顔なる　わが涙かな

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　西行法師



西行法師さん、月のせいなんかじゃないでしょ。恋煩いでしょ。認めてまおうぜ！私もやけれど・・・


春ごろに少し、淡く始まったのでしたが、あれから、ああでもないこうでもないと自問自答しておりました。


そもそも、いくつやねん！？とか。

いやいやいや、こんな人間としてもオンナとしてもひよっこの私が、恋愛対象として見られるわけがない、とか。

もう、年齢的にうまく行くかどうかわからない片想いにかけてる時間なんてないだろう・・・とか。


いくつもの考えが浮かんでは消え、また浮かんでは消え・・・・


でもねえ、いやいやいや、ないないない、と思って消えないってことはよ、もう自分の中では何かが動いているんですよね。


つい先日、相手のはっきりとした年齢を知る機会がありまして・・うん、やっぱりこれくらいかな・・って想像のまさにドンぴしゃ。

結構離れてるな。でも年の差としては、ぎりぎりセーフではあるかも。

あと数歳上の人と、結婚した友だちもいるし。誰かと比べるもんでもないけれどね。


まぁでも、年齢差的にはギリセーフでも、おもろいキャラとしかおそらく認識されてない、まさに９裏ツーアウトの状態からのスタートだよなぁ・・・とちょっと切なくなる。

一応『女の子』ではなく『女性』扱いはされてるみたいだけど。


先ほど年齢的に・・と書いたけれど、今そんなに結婚願望が有り余ってるわけでもないのだ。
ここで打算的になって、勝負しなかったら、後悔するな、きっと。


９裏ツーアウトでも、そのままコールド負けは嫌なんだ。


実に７年ぶりの想いをゆっくり育ててみようと思う。
花が咲いても、咲かなくても。後悔しないように。

するものじゃなく、おちてしまうもの

・・・なのだなぁと思い知っています。



もう二度と、誰かを好きになることなんてないだろう・・と思っていたけれど、人生わからへんもんですね。

美容院で十数年ぶりに、バッサリとショートヘアにした。そのときに真っ先に浮かんだ顔があった。

驚いた。あの人の反応が気になるなんて。



およそ７年ぶりに、おちたかもしれません。


随分と久しいことだ。

一日の終わりに、「誰か」を思い浮かべて、なぜか泣きたくなったり、ふと笑みが零れたり、
たまらなく穏やかな気持ちになって、肩をすくめてみたりするなんてことは。


そんなもん、焦燥の無駄遣い。あれ以来そう思っていたのに。。


でも悪くない、なんていうか悪くない・笑


ふんわりと優しい気持ちになれる。その人のことを考えると。


悪くないけど、私の悪い癖。。


自分にベクトルが向きそうにない人ばかり好きになる。くそぅ


まぁ前回までの反省を踏まえて、今回はちゃんと相手が独身だとはわかっていますけど


今度は・・・年が一回りちょい　上。。


私なんて、妹か、こんなキャラだし、おもろいマスコット扱いなんじゃないだろうか。
女性として見られているかどうかすら怪しい。



私は出逢ってから一度もあの人を「オッサン」だとは思ったことがないのに・・・


何も知らないあなたが、無邪気に私を指さして笑っている。

そのさした指にムッとしたのは一瞬。


鼻先から僅か数センチ。

その手をもし今、握ったら、どんな顔をするんだろう。

そんな意地悪なことを考えていた。。

忘れ薬

昔話に時折『惚れ薬』が出てくる話がある。

私なら、それとは逆に『忘れ薬』が欲しい・・と思う。
終わった恋だけを封じてしまえる、そんな特効薬。

ま、そんなものありはしないから、今日もこんなに多くの人が世界中で心を砕いているのだけど。


特効薬は『時間』or『新しい恋』

後者はまだちょっと無理っぽいから、前者に賭けているのだが、これもちょっと難しい。

でも、前者でも・・・自分はそのためにいったいどのくらいの時間を積まねばならないのだろうかと思うと、気が遠くなる。


♫♪♫♬


ミッキーさんとの再会は楽しみだ。

楽しみだけれど、それは、少なくとも今は久しく会っていなかった女友達と会うのとそれほど変わらない気持ちで。

どこに何時とかそんな待ち合わせの取り決めをメールし合っても、心から感情が湧き出てくることはない。
きっとこれが好きで好きでたまらない相手なら、ひとり、部屋でニヤついているはずなのに・・だ。


少しでも兄ちゃんに避けられていることから気を紛らわしたかった。


だって、(なんて言葉、あんまり使いたくはないけれど)
やっぱり、ものすごく、

心が折れる。


落ち込んでいるときに、それを察して電話をしてくれるようなミッキーさんに変に甘えているだけなのはわかっている。

私が男なら、そんな女絶対嫌だと思うだろう。
他の男を忘れたくて、自分と飯を共にするような女など。

自分でも愚かだと思う。



最初のうちこそ、非日常な出来事に浮き足立ちはしたものの、少し冷静さを取り戻すと心に少し暗雲が立ち込める。

自分から『会いたい！』と切望するわけではないし、ミッキーさんとのご飯の為にどこに行こうかとか、何を着ようかと考えることで紛れるのはほんとうに初めのうちで、それは幻想に近いことを悟ってしまったのだ。


兄ちゃんの影は薄くなるどころか、濃くなるばかりで。

私もどうしていいのかわからない。


窓から顔を出して見せた笑顔とか。
私の車を見つけたら手を振ってダッシュしてきたときの顔とか。

寝坊して朝ごはんを抜いたから、早く昼になってほしいと破顔したときとか。


全部、ぜんぶ、愛おしい。


顔もそんなにかっこいいわけじゃないし、体型だっておしゃれな服がさらりと着こなせてしまえるというわけでもない。


でもそんなもので判断できないたくさんを、彼は持っている。

それこそ共感する力とか。



この狂おしいほど、胸の底から滾ってくる想いをどこに捨てれば楽になれる？


これをただの恋だと言うのなら、今までの恋は、恋と呼ぶにはあまりに儚い。


何より、私が初めて会った瞬間から自然体で接することができた唯一の異性。

好きな人の前で、等身大でいられる心地よさを知った。


これを知ってしまったら、いつも少し背伸びをしなければいけない君との関係が窮屈なものに感じて苦しい。


君との約束の為に、新しい服も買った。

けれど実際、この服を着たいと思って買ったのでも、
これを着たら君が褒めてくれるかも・・と思って買ったのでもない。


隣を歩くはずの男性に恥をかかせるような格好で行ってはいけない・・なんて思いからだ。

いわば礼儀。

最低限。


はぁ
学生時代だって、常にリーバイスだったし、格好なんかほとんど『リンネル』(雑誌)系だったのにね。
そんな私を、ミッキーさんはよく知っているはずだ。


いつも身長より少し深い海にいるようだ。
簡単に立ち止まれない。


その上、兄ちゃんの想いが途切れることなく押し寄せる。


その狭間で、ひとり、息もできない。

For The First Time

斜め後ろに見慣れた姿が映る。
ミラー越しに見る無防備なその表情に少し顔が和らぐのを感じた。



欠点まで愛おしい、と思える恋はこれが初めてだ。
致命的な情けなさでさえ。


もちろん、私が彼を嫌いになるほどの欠点を知らないというのも大いにあるが。


せめて「大好き」と言いたかった。


次に、そんな欠点さえ愛せる人を見つけられるのはいつだろうか。

祈り 遅れて涙。

＊前に紹介した『常套句』、著作権の関係なのか閲覧不可になっていたのでニコ動から今度は引っ張ってきましたｗ
　ぜひ、ご清聴くださいhttp://peacefulmind.blog.shinobi.jp/Entry/651/

CDが届いたから『常套句』フルでエンドレスリピ




そんなきみにあいたーいな気持ちがいっぱいいっぱいになっている今日この頃。

正直考えない日なんてなくて。
１日のほんの隙間、ふっと無になる瞬間の数々に必ず現れる。


それでも臆病風が年中吹き荒れる。


時計の針を眺めて、仕事が終わったのがまだ居る時間だったりするとどうにも落ち着かない。
わざと急ぎでない仕事を片付けてみたり(まぁええことやねんけど)、
言い訳をして、曲がるはずの交差点をスルー。


時計の針を眺めて、居る時間を過ぎてもいっこうに仕事が終わる気配すらないとやきもき。
でも少し、心のどこかで安堵している自分がいる。


あーぁ、面倒くさい女だ。
つくづく、自分でも。　


今日も安堵する方の日であった。

・・・はずだった。


絶対にいるはずのない時間に滑り込んだ先に見えたのは・・・見覚えのある車。


(ぇ、嘘残業)


ちょうど帰る間際だったらしい。　いいタイミングと言うべきなのか何なのか・・・うーーーーん笑
でも軽い奇跡だ。　
これでも早い方だしね、こっちは。　いつも寄るのは20時半以降だから。


私が停車した方角に自分の車があるのでこっちに向かって走ってくるのだが、まともに正面から顔を見れない。怖くて。

財布を取り出すのを言い訳にちらりと横目で窺うと・・・

顔を横向けて同僚と話しながら走っているので、なんか、

欽ちゃん走りみたい・・・笑　(この言葉わかるの、うちら世代がギリですよね？私もあんまリアルタイムで見たことないし)


そう思ったのがおかしくて、ふと口角が緩む。


以前なら帰る前であろうが、見かければ声を掛けてくれたけれど、言葉を交わさないどころか、目にも留まらぬ素早さで車に乗り込み、エンジンを掛けてすぐにアクセルを全開にし、ありえない角度で方向変換させると、なかなか車が途切れない道路なのに一瞬で去ってしまった。


あとに置き去りになった白煙と私の思い。


・・・そんなに一刻も早くこの場を去りたいか？


何なのよもう。そんなにあからさまに避けなくたっていいじゃないか。
取って食ったりはしないし、責めるつもりもない。


今日は最近絡む回数が増えてきたオジサマにまーちゃんのメンテをお願いしようと思ってやってきたのもあったのだが、そんな気力失われて、そのままそこを後にした。


まーちゃんごめんね。　約束破っちゃったな。


腹立たしいやら情けないやら、かなしいやらくやしいやら。


でもはっきりしたよ。　
もうダメだ。どんなに強く想っても。


帰り道。
強がって悪態をついてみる。


こんな千切れそうな思いになって、避けられてを繰り返して、まだ彼を好きでいる意味があるのかと自分に問う。

でも、根本では意味なんてどうでもいいのだけれど。人の感情のすべてを意味づけしていたら世の中は味気ない。



自分に惚れた女と話もできない救いようのない情けない奴。
そう思わなければ　心が持たなかった。

それがもし気の弱い優しさだったのなら、到底あきらめることなど不可能だから。


でも人のことは言えない。
自分だって彼の顔を真正面から見ることすらできなかった。情けない奴は自分の方だ。


顔をあわせ、ほほえんでいたら、何かは違ったのだろうか。



こんなにも腹立たしいのはきっと私が想像以上に傷ついているということなのだろう。


きっとあなたは焦ったのでしょうね。
困らせてごめんなさいね。　でも今日は私に落ち度はなくて偶然のいたずらですけどね


でも顔をあわせることで、あなたが困り、私がまた傷つくのなら、

もう、会いには行きません。


ありがとう。
この期に及んで感謝しか出てこないのが、また悔しい。。


今日の分の涙はきっとずっとあとにやってくるのだろう。

終わりの見えない鬼ごっこ

朝の道で、またあなたと隣り合わせ。

追い越したり、追い越されたりしながら、ようやく隣になるけれど、そんな瞬間も少し切ない。

運転席が隣り合わないように、極力まで車間距離を詰めるあなたが。。



あなたが避けるのは、見込みがない証ですか？
それとも、ただちょっと情けないだけですか？？


まだ、後者を期待する私はバカですよね。



なんでこんなに避けられても、こんなにまだ好きなんだろう。

Tell me something...

このところ、朝の道で、また彼とよく会う。

もちろん、顔を出して微笑んでくれることはないけれど。　

別に避けられるのがなくなったわけではなくて、単に寒くなってきたから朝布団から出にくいだけだったりするのかもしれないけれど・・・



でも、私が利害関係を破る一言を示してから、別の道を通っていつもの道に合流していた彼が以前の道を使った・・というだけでなんだか少し救われた気になる。


ばかみたいでしょ。。




いろいろ考えて、考えて、そしてまた考えて。

その結果、やっぱり私は彼が好きなのだ。



もちろんたとえばあなたに、奥さんや彼女がいるならば、私はもちろんスッパリあきらめるし、そうすることができる。


でも、そうでなければ、まだしばらく追いかけたい。





年齢的なことを考えれば、もうそろそろ、誰かと付き合い始めないと自分の思った年齢での結婚は難しい、と思う。

まぁ結婚するのに「この期間付き合わなければならない」みたいなルールはないんだけれども。


見えない未来だからこそ、このまま報われるのかどうかわからないものを追い求め続けることに不安はある。

女として輝いていられる時間にも限界はあるし。


それを考えたら少しのこわさはあるけれど、もうしばらく追いかけてみたいと思った。




この間のように逃げ腰なのではなく、ちゃんと面と向かって会いに行きたい。

たとえそれでよそよそしい態度を取られても。



でも、かなしいかな。
いかんせん、こんな時に限って仕事がめっちゃめちゃ忙しい


今日なんか警備を掛けたのは私。
職場を出たのは23時。　


確実に会おうと思えば、18時半までには行かなければね


『遅い時は23時くらいまで働くこともある』なんて言っていたけれど、そんな時間までいるのを見たことがないし、たぶん男の人の見栄なのかな～と思うｗ





この間、ゼミ仲間の日記に『片想い６年目突入！』とあった。

彼女に比べれば、私などまだまだ足元にも及ばない。



光る箒星のように、あなたはなかなかつかめない人ですが、その尻尾くらいはつかんでやりたいw


Tell me something or I cheat U.

慣らし運転

お金をおろしに寄ったコンビニで、その鮮やかな色にはっと目を奪われる。

一瞬ののち、自分が探しているものではないと認めてさらにはっとする。


・・・こんなとこにいるわけないじゃないよ、ねぇ。。


無意識に同じような作業着に目を取られてしまう自分が滑稽だ。


私はまだ無意識に彼を探している。悔しくてならない。

衝動をこえて

少しずつ慣れてきた。

私の生活の中に彼が関与しない毎日に。



「慣れてきた」という言い方が果たして正しいのかもわからないし、そもそも毎朝彼の車を探している時点で「関与しない」のかどうか怪しいものだけれど。。


突如として胸の奥底から突き上げてくる「会いたい」という衝動は、穏やかなものになりつつある。

薄れた、と言うのとは少し違う。
言うなれば、質が変化した・・とでも。


けれど。、それだけでも、この小さい心には有難い。


そんな衝動、受け止めるだけで精一杯で重労働。


それだけでも大きなエネルギーを要する。


まったく厄介だ。
しかし、そんな厄介なことを求めてやまないのだ。


そんな己が一番厄介だ。