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Think&Said to Myself

日々の日記と思いをミク●ィより赤裸々に(笑)綴りますw

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Something  BITTER

今日はウチの職場の卒業式
いつもはサティで買った綿パンにテキトーなカットソーといういでたちの私だが、今日ばかりはそうは行かない。
何しろ今日の担当仕事は受付

春うららな日和ならまだしも、寒の戻りで最高気温は1ケタ。冗談じゃない
奮発して、P&Dのブラウスをスーツのインナーにと購入したのだが、寒すぎたwww 

『おめでとうございます』と笑う筋肉も引きつりそうになるわ、式次第を差し出す手はかじかむわでしんどい1日だった。


が、それだけでは終わらせてくれない。 式の間はおとなしくしていてくれたヤンチャ連中が式後、この日のためにあつらえた晴れ着で学校にやってきた。

晴れ着とは・・・


暴走族さながらの色つき学ラン(刺繍入り)

ピンクに水色、オレンジ、緑と目立つことこの上ない。

刺繍もわりとしっかりした質のいいもの。ふと気になったことを聞いてみた。

「それ、いくらすんの?」


聞いて驚くことなかれ。 14万らしい     オーダーメイドのスーツ買えるやん

働かずして14万の服をこの日のためだけに買う中学生・・・かたやこちらは、あくせく働いて吊るしで1万のスーツである。   世の中って何なんでしょう・・・


何はともあれ、ヤンチャ連中をどうにかこうにか帰したところで、ようやく遅い昼にありつく私たち。

式場の片付けも終え、勤務時間終了まであと5分。こんな日くらい早く帰らねばということでコートを着終えた頃に・・・


『1年生の先生ー。事件ですー集合



のーーーーん 学校とは定時に上がらせてくれない場所である。


その事件もどうにかこうにかカタをつかせ、ほっと一息。あったかいお茶をすすり終え、さぁ帰ろうというときに警察から電話
ショッピングセンター内のフードコートで、さっきの七色勝負服とそのお仲間がたむろってて、迷惑しているらしい。。

てか、警察動いてるなら、警察が親に連絡取ってよね。


私がどうこうできることではないにしろ、出払った仲間を尻目に帰るわけにも行かないので職場待機。

7レンジャー(笑)を蹴散らして帰ってきた同僚。やっと帰れると思いきや、地域の方よりお電話。

『派手な格好をした中学生が校舎の屋根にのぼっている』


・・・アイツらだーーーーーーーー。 また帰れない。テンションだだ下がり。


ご丁寧にも、倉庫のドアを蹴破ってくれていた。 遊ぶならおとなしく遊べよー


「おい、ピンクレンジャー(笑)、仲間連れてさっさと帰り。暗なるし」

『先生あそぼーやーー』

「あんたらと遊んでるほど暇ちゃうねん

『ケチ』

なんだかんだ言って、寂しいんだろうな。派手な髪や服もかまってもらうための彼らなりの手段なのだろう。正当なやり方で、気を引く方法がわからないのだ、きっと。

高校に行けば、授業を抜け出してばかりだと在学すること自体が困難になるし、抜け出したからと言って、高校の教師は中学の教師のように追いかけてきてはくれない。
義務教育ではないから、自己責任なのだ。

自分を見ていてくれる人や場所から巣立っていくのが寂しくて、うだうだと教師を困らせてみるんだろう。


なんかな、哀しいな。


蹴破られたドアを男性陣が応急処置し、どうにかこうにか7レンジャーを帰したら19時になっていた。
式典そのものは昼までで終わっているのに、普通の勤務日とそう変わらない退勤時間。

嘆いてみても仕方ない。 これが私たちの仕事

残っているのは、家庭を持たない若い人たちばかり。 

疲れたーと口々に言い合っていると、一緒に残っていた教頭が、『メシ行こメシ』


ちょうど友達に約束をドタキャンされたところだったので、二つ返事でOKをして、車を出した。


そして、この偶然に感謝することになる。やっぱり起きる出来事は必然なのだ。
行き先は教頭の家から程近い、鶏肉専門の大衆居酒屋。

当然車だし、代行運転も頼むつもりはなかったので、マンゴージュースを注文した。

『けっ。シケてんな。お前も飲めよお前もー。いっそのこと飲酒運転で帰れ!』と教頭。

「えー嫌ですよ。まだクビになりたくないですもん。」

『その方があきらめも付くやろー』

既にいい感じに出来上がっている教頭は、好き勝手なことを言う。
もちろん冗談なのだが、私としては数日前に校長に真剣に転職するか否かを相談したところだったので、(あきらめって・・・)と深読みしてしまいそうになって、慌てて湧き上がってきた思考を取り消した。


そう、この数日前、私は私のしてしまったミスの後処理報告をした後で、校長に「続けていてもいいのだろうか」と問うたのだ。

だいぶ精神的に参っていたので、エンジャパン(転職情報サイト)の会員登録までした程だ。

自分がかつてバイトしていた会社の正社員募集のページを見るに付け、別にこれもアリかもな・・・なんて思ってしまうほど、追い詰められていた。

正社員で働くには割りに合わなすぎる会社なのにね

中途採用なら多少条件も違うのかもしれないが、初めてのボーナスが3万らしい。
激務の割りに、給料もそんなに・・・とチーフも言ってたなぁ。
学生のバイトスタッフをまとめていかなければならないし、責任感のある子ばかりではないだろう、イマドキ。

正社員になれば、講習会の受講者や売り上げのノルマもつきまとう。


でもそんなのを差し置いて、一瞬本気で(もっかい就活しよかな・・・)と思うなんて相当だよね。
ちょっと、疲れた心と体を休ましてあげんとダメかも。


校長はさらっと『俺は社長じゃないからあんたにクビとは言われへんねん。せやけど、同じような失敗を繰り返すようなら、教委に打診はするど。その後の処分は教委が決めることやな。そうなる前に決断をするんなら、それは俺ではなくてあんた自身が決めることや』

と極めてドライな答えだった。  
でもきっと、もしこれから先教委の耳に届くようになるくらいの私なら、その前に私は辞表を出しているだろう。そこまで腑抜けなのに仕事を続けているほど、私はこの仕事をいい加減に捉えていない。


とまぁ、そんなことがあったのである。


良い感じに出来上がってる教頭は、ハイボールのジョッキを片手に、

『よう1年間耐えたな・・・』と言う。 わかってくれていたのか・・・とじーんとしそうになったところに、

『俺のパワハラに』

・・・ぇ笑   「じーん」取り消し・笑

はは・・・と苦笑いしていると、恒例のぱっしーんが飛んできた。

パワハラって自覚、あったんか。笑


とまぁ、手加減しているとは言え、多少痛いのも本音なのだが・・、これもまぁ教頭の愛情表現の一種なのだとこちらもわかっているから、無論、それをパワハラだと思ったことはない。

『お前なんでいつもビクっとするんなぁ?』


びっくりしいなもんで・・・と誤魔化し、教頭は『怖がりなんやなー』と納得していたが、・・・先生、小さい頃叩かれて育てば、こうなるんですよ、オトナになってもね・・・。


おいしい食事に満足し、いつものように教頭行きつけのジャズバー(マスターが大学の大先輩なのだ)で真面目に来年度の人事の話をし、これでお開き、と思いきや・・・

『おぅ、みんなありがとうなー。俺はこれからめぐさんとマクドでコーヒー飲んでデートやから』

え、3次会あったんスか笑  今聞いたがな!!


当然のように、我がまーち君の助手席にどっかと座り、『ほな、○○のマクド行ってー。』

しっかし、世界一、マーチの似合わない人だなぁ・・・笑

「先生、うちのマーチは禁煙です」
『けっ。しょーもな』


コントみたいな組み合わせ。私とまーちと・・・教頭・笑


結局近くのマクドは閉まっていたので、ドライブスルーでコーヒーだけ買って、先生の自宅まで送り届けることに。


私の心境とは裏腹にマクドのカフェラテは程よく甘い。


校長に話したことを教頭にも言うと、教頭は押し出すように『なんで、校長に言う前に俺に言うてけーへんかってん』と言った。


だって先生、いっつも忙しいもん苦笑


『たぶん、俺はお前に嫌われてないと思うんやで』

えぇ、職場でのおとーさん的存在ですから・笑

『それは、俺がお前を気にかけてて、周りがする心配とはまた別の意味で心配してるっちゅーかよ、そんなんを感じ取ってくれてるからやと思うねん。自分のこと気にしてくれとるって』

『相手が気に入ってくれてたら、自分も相手のことなかなか嫌いになれへんやんか』
『それって、子どもとの関係性でも当てはまるんちゃうかな』

『お前はここにあるもんは悪ないねん』
と手をぐーにして、自身の胸を軽く叩く。

『やけど、ものすごう不器用で、それが子どもにうまいこと伝わらん』

「それが仕事なんですけどねぇ・・・

『うん、いくらええもん持ってても、伝わらんと意味がない。伝える術が下手くそや。ここに何も持ってなくて手腕ばっかりで勝負してる教師もおる。ここを鍛えよう思っても、なかなかすぐには行かん。それをお前は持ってるねん、はじめから。後は伝える方法を鍛えるだけや。こっちはどうにかなる問題や』

『お前はまだ子どもの前で、心を素っ裸にしてない。自分の心をさらさんと、子どもも心をさらしてくれん。
別にほんまにさらさんでも、演技でもええねん。要領よくそれができる奴もおるけど、お前はほんまに不器用やからの~。』


不器用なのは否定しないけど・・・この日だけで不器用って10回は言われた気がする・笑



「日曜の夜になると、『憂鬱』じゃないんですよ。『心細い』んですよ。心細くて心細くて仕方ないんですよ。明日から5日間ちゃんとやっていけるのかって・・・」


『俺もな、前に当てられた(車ぶつけられて鞭打ちになっていた)やんか。あん時かって、数日後には行こう思えば行けた。でも、目覚まし止めたらもうええわってなってしもた。』


意外だった。先生もそんな事があるなんて。


『お前、今本音言える奴、(職場に)おらんやろ』

肯定も否定もしなかったが、それが肯定の証だった。


『心をさらさんうちから辞めたらあかん。俺もあと1年しか今のところにはいられへん。その後は△△市へ異動願いを出すつもりや。お互いこの1年は勝負や』


『めぐさん』

「はい・・・」

『辞めんなよ』

声が出なかった。 教頭が右手を差し出す。その右手に右手を差し出し返す。 しっかりと握られたその手はあたたかかった。


「・・・ありがとうございます」


『ここ道なりに行って、右に出たら国道に出るから。遅うまで引っ張りまわして悪かったな。気をつけて帰れよ。』

「はい、お疲れ様です」



帰り道、視界が歪むのを抑えられなかった。


こんな私でもまだ教師でいることを許してくれるのですか。


こんな私でも。。。





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