アラサ―女子の複雑な思い

先日、少し年上の先輩を乗せて家路についていたときのこと。

ふと話題が結婚のことになった。


その日、私たちはとても中学生がしでかすとは思えない珍事件の対応をしていて、心身ともに疲れ切っていた。


この仕事をしていると、前にも言ったかもしれないが、子育てと言うものに自信がなくなる。


いつも大人を煩わせる生徒というのは大抵特定の子どもになってくるけれど、親御さんももうめちゃくちゃ‥なんていうのは、ほんのほんの一握りで。

ほとんどは一生懸命子どもに向き合っている方ばかりだ。


今日も話題はお母さんのことに。


いつも夜遅くまで、子どもや家族の為に働いて、随所随所に子どもへの愛情が感じ取れる。
そんなお母さん。


でも子どもがしでかしためーーーっちゃアホらしいことのために呼び出されたりなんかしたら、辛いし複雑だろうなぁ、と。


『ああいうの見てると、自信なくなるよね。一生懸命頑張っても、迷惑かけるかもしれないって思うと、親になるのが怖いなっと思う』


なんかまさに自分がこの頃考えていたことを先輩が言ったので、驚いた。


子どもと言えど、ひとりの独立した人間。

周りの大人が頑張った分だけ立派に育つ、なんていう公式がないのはわかっているつもりだけど。

色んなケースを見聞きする仕事だし、相手は反抗期の子らばかり。

こっちが相手のためを思って指導したり助言したりしても、反抗期真っ只中の子には、うっとうしい以外の何物でもない。

自分も通ってきた道だから、よくわかるねんけどな。


でも、いざ自分が親になったら、自分の子どもを最低限社会に迷惑を掛けない子に育てられるかってごっつい不安。

親の前では良い子でも、外で万引きしていたり、他人に失礼な態度を取ったりしてほしくないし。


愛情を持って接しても、相手の求める愛情と種類が一致しないかもしれない。
こっちが愛情いっぱいでも、子どもには足りないことだってあるかもしれない。


その結果、何かが歪んだりしてしまったら??


考えるとキリないねんけど、不安材料ばかりがならんでいく。


私も先輩も結婚して仕事を辞める気は今のところないから、

『これで夫に理解がなかったら、そこでもストレス溜めちゃうわけだしねー』


そうそう。それを思ったら、結婚も二の足を踏む。


『今、やっていけてないわけじゃないし』


そう、今を見れば自分一人の面倒は自分で見れる。
贅沢しなければ不自由はない。


でも女が独身を貫くというのは、定年までがむしゃらに働いて、それでも老後はどうするの？という心配がつきまとう。
世間の目も昔ほどじゃないにしろ、一人で生きていくにはしんどいものがまだある。


結婚や出産には迷いや不安があるけど、じゃあ一生独身でやっていく覚悟はあるの？と問われると、それもまた揺らぐ。


友だちももう既に母になった子はたくさんいる。

ほんと、彼女たちを尊敬する。


お母さんになる覚悟って並大抵じゃないし、お母さんになるってすごい。


『なんでそんなに思いきれるのかなぁ』


ほんまに。迷いだらけのアラウンドサーティ。

キャリアってほどのキャリアなんか私にはないけど、でも、結婚や出産で仕事をあきらめたくないなとも思うし。



もちろん、一番パワーのいる年代の子たちしか見てないからネガティブになってしまう、というのもあるのだろう。

何を言っても「うっさい」「黙れ」「死ね」しか言われない・・なんてこともある。

それも何年かすると、そこまで落ち込まなくなるものだ。

そして「うっさい」＝「うん」
「黙れ」＝わかってる
「死ね」＝挨拶代わり　　なーんて脳内変換できるようになってきたりねｗ


実際本気で目の前の大人に死ねって言ってるわけじゃない。

語彙力が少なくて、それしか出てこない子もいる。
本音ではひどいこと言いたくないけど、周りの目とかプライド、照れが邪魔をして、そうとしか言えない子もいる。


でもこっちも慣れててもさ、人間やから、そんなん聞いて気持ちのええものじゃないし。



そんなところしか、わからないからだろうな。


たとえば赤ちゃんの頃からずーっとそばにいてみていればまた違った何かが見えるんだろうし。

今よりもっと大人になったところを見ても何か変わるんだろう、思いは。



自分の親のことは相変わらず好きにはなれないが、あの親や周囲の大人にとったら理不尽としかいいようのない反抗期ってやつに、匙を投げずに付き合ってくれたのには頭が下がるわ。


それも大人になるための大事なステップやしな。


そんなん思ったら尚更そんな人間になんかなれそうにないなぁと思うのだ。


親って人種、すごいよなぁ。


何なんだろうなぁ。



親にはいずれなりたい。けれど、まだ惑い、揺れる日々はしばらく続くのだろう。