家族崩壊

母親と縁を切ると決めて二か月。
一切連絡をしないようにしてきた。


ところが最近、父親の様子がなんだかおかしい。
電話をしても頻繁に体のどこかを痛がる。


もしや、黙っているだけで、末期のがんとかじゃあるまいな・・と思ったが、そんなこともなくどうもアバラが痛いらしい。

うちの同僚にも同じような症状になったことのある人が２人いたから、その痛さがなかなかしんどいものらしいというのは知っている。


堰のし過ぎや不意の無理な姿勢のせいで、軟骨にヒビが入ったり折れたりして激痛が伴うのだ。
レントゲンにも映らない場合があるみたいだ。


死ぬような病気でなくても、しばらく仕事も休んでいるみたいだし家事をひとりでするのも辛かろう・・と祖母の家に入り浸っている母に電話を掛けた。


相変わらず腹が立つほど幼稚な声で『久しぶりねぇ』という彼女。
縁を切られたというのに能天気極まりない。


事情を説明し、様子を見に行ってほしいとお願いしたが、母は祖母の面倒で手が離せない、と。

あっちの状況もよくわかる。わかるが、せめて半日くらいどうにかならないのか。
どうも祖母の介護を半分逃げ道にしているような気がする。


叔父に頼むとか、ヘルパーさんや民生委員に来てもらうとか、1日くらいどうとでもなるだろうと思うのに。
特に何も忙しいことなどしていない母がまた、ぐちぐちと甘ったれたことを言うにつけ、腹が立つ。

ってか、オヤジが病気だと言うのに「心配」とか「大丈夫かな」という思いがまったくないのだ。
実にあっけらかんとしている。


終わってんな、夫婦。
別にあのふたりだからというわけではなくて、彼女は誰が夫であっても同じような反応だろうけど。


つい、甘ったれんな、しっかりしろといつものごとく説教してしまった私に、

『もう電話してこないでよ』

と身勝手なことを言うのはまだ想定内だが・・・・


『そんなのあんたが面倒みなさいよっ』


そんなの？
あんたが面倒みろ、だ？　あぁ？？


心配じゃないのか。

家族って何よ。あなたにとって。


心配しなくても、今回も父のことがあったから電話したまでで。
言われなくても二度と掛けないし、お前なんかこっちから願い下げじゃ



彼女から生まれてきた自分自身を憎むようになる前に、清算しよう。


最低な母親で最低な妻だ。　あなたは。