かつて同じ場所に立っていても

結局、英会話スクールへの入校を決めた。

随分高い買い物ではあったし、身になるのかどうかも(これは自分次第だけど・・)わからないし、悩んだけれど、やってみたいに気持ちがかなり傾いていたし、

時間的にも経済的にも自由が効く今、やっておいたほうがいいかなと思って。



スクールでローンの申し込みやら何やらを終えて、梅田の一角で久しぶりに幼馴染と合流。

いかつい。半端なくいかつい。

ガタイがいいだけじゃなく、そのひげ！剃れよ・笑



１年ぶりに会うやつは、年収が私の４倍から５倍になっていて、(ここまで桁違いだともはや羨ましいという感情すらわかない。)家１軒キャッシュで買えるほどの貯金があるらしい。

まず金銭面をさらりと誇示するところも、変わってないなと思う。


お互い、故郷に良い感情を持っていないのも同じ。


でも話を聞いていて、なんかどんどん気持ちが鮫肌みたいにざらついて行く。


それの決定打となったのはやつの放ったこの一言だった。

『結局、最後はカネやろ』


グラスごしに浮かぶやつの口元が寂しそうに歪んでいる。


なんか、寂しい人間になっちゃったね。

信用できるのはカネだけってか。


散々自分のことをバカにしてきた同級生たちを見返してやりたい気持ちは私もやつも同じ。

けど、行きつく先はだいぶ違ってしまったみたいやねぇ。



その「カネ」が人生を狂わすことも往々にしてあるんだよ。


一度は道もそれて、苦労に苦労を重ねて、埋まらない寂しさも抱えて、必死にやってきたのはわかってるけど、お金を誇示してばかりなのは、中身の値打ちを下げてしまうよ。


そのどこからかわからない上から目線も。



そのままやつの話を聞きながら飲んでいたら、悪酔いしそうだったので途中からウーロン茶に変えた。


帰り際、やつが私のコートを取ってくれながら、

『良いコートって、重いよな』

「私のん、ぺらっぺらやろｗ」

『持ったらわかるなｗ』



私にはそれも高い買い物だったよ。

優劣をつけるべきはそこじゃないでしょ。



言わなかったけれど、なんか哀しかったよ。
見てる方向が、まったく違ってしまったやつを見ていて。


本人が良いなら、別にそれでいいねんけどね。。