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Think&Said to Myself

日々の日記と思いをミク●ィより赤裸々に(笑)綴りますw

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ラスト・イグザミネイション

去る17日。卒業論文の口頭試問があった。 
ウチの大学では卒論を提出した上で、この試問を受けなければ単位にはならない。おそらく代筆や盗作を防止するためだろう。


駅へ行くまでに学校の中をすり抜けるから、学校自体はほとんど毎日と言っていいほど目にしているが、学舎の中へ入るのはだいぶ久しぶり



控え室は語学科目を中心に行う棟で、試問自体は各教授の個研(個人研究室)でおこなわれる。



控え室に向かうと扉に『英語英文学専修 口頭試問 学生控え室』とPCで打ち出された張り紙が張ってある。
それだけで見慣れた教室が途端に装いを変えるから驚きだ。


しかし入ってみるとそこには猫の子ひとりおらずガラーン


にょ??


黒板にさらに二枚の紙が張ってあるのに気づいた。


主査:A、副主査:I   ●● △△(学生名)・・・・・・・・・・・・めぐさん

(尚、主査Aの口頭試問もIの研究室で行う)



とある。副主査がめぐさんの好きな教授NO2のI先生だったことでちょっとほっ


というのもこの日、ネイティヴのM先生が副主査で恐怖の15分間になる・・・・という悪夢で目が覚めたのだ
正夢にならずに済んで本当によかった予想していた展開でもある。A先生とI先生は研究分野も比較的似ていて、公私ともに本当に仲がいいらしい。

本来ならば、自分のゼミの教授の個研で試問なのだが、ここも予想通りの展開。それというのもA先生の個研は相当のカオスに支配されているらしい。ゼミ生でさえ、毎年1人、2人しかそのカオスを見ることはない。見せてはくれないのだ。先生に質問があって研究室を訪れても、院棟へ招かれたり、合研に招かれたりする。


研究棟の中に入り、I先生の研究室に向かう長い廊下を歩く。I先生の前には何人かのゼミ生が順番を待っていた。どうやら多少押しているようだった。
当たり前だが、口頭試問などを受けるのは皆これが初めて。院に進むのなら修論で口頭試問があるだろうけど、就職組はこれが最初で最後の口頭試問になる。2人ともよく知っている先生とは言えど、やはり緊張は隠せない
研究室前の廊下にはご丁寧に椅子と小さなストーブが置かれていた


研究室の中からは、しん、となったり時折笑い声が聞こえてきたり。和やからしいことはわかるけれど、何聞かれるんだろう・・・と皆気が気ではない。


大手メガバンクに就職が決まった子が数人。銀行の制服の話で盛り上がっていた。M銀行は制服があり、R銀行はかっちりしたものなら私服OKらしい銀行勤務、多いんだなぁ。他のゼミでも銀行に就職というのはよく聞く。
女子には銀行が人気らしい。定年まで続けられる仕事・・・というわけではないが、結婚や出産までにお金に関する知識も身につくし、給与面もまぁまぁなところが多い。



私の前に試問を受けた子が研究室から出てきて、私も椅子から立ち上がっていたら、先生自らドアを開けて迎えてくれた。そこに試問が終わった子らがまだ残っているのに先生が驚いている様子。どうしたと尋ねる先生に、

「廊下で1人だと心細いやろから話してたんです」というみんな。


Aゼミ優しすぎるじょ


中に入ると副主査のI先生と目が合った。優しい眼でにこーっと笑う

今日もマイナスイオン出まくりやわ、先生笑 にゃー

廊下にいるゼミ友達に「めぐさんをこれからいじめるから泣きながら出てきたら慰めてやってくれー」と飛ばしているA先生・笑




A先生が着席して、ニヤっと笑い、「さーぁ、いじめるぞハンカチはあるか?」とA先生らしい切り出し。


I先生が「ティッシュもあそこにあるからー」とティッシュの在り処を指差す。仲のよさが本当によくわかる。A先生のギャグに絶妙の返しをしている。


「この子ねぇ~『大学の近くに住んでます』っていうのにどのアパートか言わないんだぜ~」とお決まりのセリフをI先生に言う。「熱心に一番最後まで研究室にいたのになぁ・・・」

するとI先生が静かに「それ(アパートを言わない)が賢明だよ」と言い放ち、A先生は高笑い。



初めの7、8分、試問らしい真面目な雰囲気で内容についての質疑応答があった。

I先生の答えにくい質問&忠告、見解も飛びつつも、圧迫にはならずに終わり、後は世間話で終わった。


「リサーチも文献を綿密に調べられているしね、非常に良い論文になったと思いますよ」とA先生。
「こういうこと(論文内容)を現場で語れる同僚に会えればいいねぇ」と九州訛りの残る関西弁で話すI先生。

A先生が張りのあるテノールなら、I先生の声は地面に染み入る慈雨のようだ



口頭試問が無事に終わって、副主査がI先生だったので思い切って切り出した。


「先生、私の入試のときに面接官でいらっしゃいましたよね?」


きょとんとするI先生。


「AO入試の二次試験のときに」

「・・・・4年前かぁ。もうひとりはI子先生だったよな?」

「はい」

「じゃぁ間違いないわ」

「合格させて下さってありがとうございました本当に感謝してます。●●大来て人生変わったと思ってるんで」

「あの面接ではかなりいじめたんだけどなぁ~」と飄々と言うI先生。


うん、帰り道は落ちたかと思って泣きそうになったよ・笑


「もっう、英語(での面接もあった)もほんまにしどろもどろやったのに・・・・ほんまにありがとうございます




そのやりとりをじっと横で聞いてたA先生が、

「なんだ、俺に憧れて入ってきたんじゃないのか・笑   それは初耳だな~。別に心に秘めた男(笑)が居たワケやな」

「そうそう僕」・・・とそのジョークに飄々と応じるI先生。やっぱり仲がいい


「でもすっかりこっち(A先生)に洗脳されてしまったな」とI先生。


「いやでも入り口が肝心ですからー」とフォローするA先生


「入り口こっち(自分)で出口こっち(A先生)やなぁ、ははは」とI先生。


お互いを理解しあっているお二人のやりとりは聞いていて安心感があるし、見ていて微笑ましい。
そんなお二人の学生を見る眼差しは穏やかでやさしさに満ちている。時折厳しさも混じる。


そんな眼差しに4年間見守られていたのだった。


もう友達やA先生、I先生とも卒業式でしか会えないんだなぁ。謝恩会でA先生には会えるけれど、I先生に会うのは本当に卒業式だけだ。


寂しいなぁ


でもこのお二人の教授がこの大学に居なければ、今の私はない。


本当にA先生とI先生に出会えてよかったと思う。

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