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Think&Said to Myself

日々の日記と思いをミク●ィより赤裸々に(笑)綴りますw

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実りある3週間その③

先にその①と2を読んでねemoji



真面目で優秀。責任感も強そう。  
一見すると、すごく良いのだが、そういう人の弱点は困っても自分でどうにかしないと!と思いすぎる傾向にあること。

様子を見ていて、彼女もそういうタイプかもしれないなと思っていた。


なかなか弱音を吐かなかったりとかするタイプ。


それは大きな長所だけれど、場合によっては短所にもなり得る。


新任のころ、思いっきりそういうところを短所にしてしまったことがあるので、彼女には晴れて教師になったあと、それで苦労してほしくないなと思った。


なので、敢えて不甲斐ないエピソードを話したり、周りの先生に相談しているところも彼女にそれとなーく見せたり。

チームワークの大切さ、一人で無理な時は周りの力を借りること、その重要性の方に力を入れて話をした。


授業が多少下手でも、子どもたちや周りの先生方とうまく行ってれば、子どもらも頑張るし、仕事もうまく回りやすい。


逆に授業はトップクラスでもスタンドプレーが過ぎたり、自分勝手ばかりしていると教師集団がギクシャクする。
同僚から信頼されなくなると、その空気をやがて子どもたちも感じ取るものだ。




実習も終盤に差し掛かったある日。

私も常日頃注意ばかりしているちょっと大変なクラスでそれは起きた。


私にとって大変なクラスは、彼女にとってもそうだったようで、なかなかうまく行かず、ざわつくことが多かった。

その日、グループ学習をさせていた彼女は残り数分で、子どもたちに聞いてほしいことがあったらしく、静かにするよう指示をしたけれど、もう誰も聞いちゃいねぇ、みたいな状況で。


黙って待ってみたり、静かにするよう促したり、あの手この手を使っているのは見て取れたがそれもなしのつぶて。



誰も先生(実習生)に対して注意を払わない状況に、後ろで見ていた私のほうが堪忍袋の緒が切れそうだったが、よほどのことがない限り、実習生といえどほかの人の授業の中で安易に口は出すまい、と心に決めていた。


これは、と思っても、授業のあとに言うようにしていた。



毎日の疲れもあっただろうし、真面目でよくできる子だから何とかしたいという思いもあっただろう。
でも目の前の子どもたちは誰も自分を見ていない。

声が届かない虚しさ。



こういうのは、教師は若いころに誰もが一度は経験する。

若い先生の中には怒って教室を出て行ってしまう人もいるし、私も昔は「ちゃんとできるまで、授業はやらん!」と飛び出しこそしなかったけど、ずっと睨みながら教卓の前で立っていたこともある。


大学の教職の先生も昔おっしゃっていたけれど、『怒って職員室に戻ってもねぇ、虚しいというか情けないんですよねぇ』


そうなのだ。あとから子どもらがヤバいと思って、謝りに来てくれるならまだいい。
でもそうでないケースもあったりする。



ただ、それを実習時代に経験するというのもなかなかレアだ。


このクラスは相手が実習生だからと気を遣ってくれるようなクラスではない。



まぁ、誰に対しても一緒と言えば聞こえはいいけれど・笑



その時に彼女が感じていたことは、私や他の先生もかつて経験した思いであるはずで、痛いほどよくわかった。


ギリギリまで口は出すまい、と決めていたけれど、彼女の表情が変わってきたのを見て、
私は大きな声で注意していた。


しーーーーーんとなる教室。


怒られている、と理解したのではなく単に大声で注意され、驚いただけかもしれないが。


涙をぬぐいながらも彼女はチャイムを鳴るまで決して教室を出なかった。


すごいなemojiと思う。  



彼女が教室を出てから、『なぁあいつ泣いたんって俺のせい?』と聞いてくる子。

そんなんきくんなら、ちゃんとせえやアホーーー!って感じだが、まだ『俺のせい?』と気にするところがかわいいなと思う。

ほんまに気にしてなかったら、そんなこと言わないもんね。



彼女の思いを聞いて、誰でも一度は通る道だよ、みたいな話もして、ああいうときはこうしたらいいよという話もして、それから私はさぁ、どうしよう、と思った。



ここしばらく、疲れもあってか、笑顔が少し減ったように感じていた。

実習を終える前にずたずたになっても、いかん。



でも、乗り越えてもらいたかった。

ただ、免許を取得するだけじゃなくて、将来本気で先生を目指している子。

今は実習生として、だけどいざ本当に教員として子どもたちの前に立ったらまた違う。


これより大変なことも山ほどある。これくらいの苦難でくじけていては、長くは持たない。



最初から『もうあのクラス行きたくない』と言いそうな子なら、発破をかけるんだけど、彼女はそんなこと言わないだろうなという期待はあった。


だから「よっぽどしんどくて、つらいんやったら代わるよ?」とだけ伝え、答えを待った。



もしここで本当に、実習期間の途中で授業者が変わればクラスの子たちは『先生はこの間のことでへこんで授業をしないのだ』というように解釈してしまう。

先生に勝った、みたいな変な意識を植え付けたくもなかった。



本当に1クラス任されれば、泣こうが喚こうが、授業に行かない、という選択肢はない。


だから頑張って!と祈る思いだった。


ほぼ100%、しんどいけれど、やる、というだろう、という見込みはあったけれど、万が一、もう嫌です、と言われたら、ちょっと厳しいことを言うつもりでいた。

でもどんな言葉を使おう、、と布団の中で悶々とする夜が明けて。


けれど、それから数日、実習日誌には「胃が痛かった」と正直に書いていたのでクスリとしたが、彼女は授業をやり遂げた。


そんな姿を子どもたちも見ていたのだろう。最後の日には拍手が起きた。




彼女から手紙をいただいたが、そこには『先生の指導教諭として初めて担当した学生が私だと知ってうれしかった』と書かれていた。


右も左もわからないまま、時に先輩に相談しつつ、こっちもがむしゃらに引き受けた役であった。

他にもっと優秀な先生はいっぱいいるのに私でいいのか、とも思った。


でも、彼女と接する中で、若いころの気持ちみたいなのも思い出したし、何より何の先入観もない真っ白な眼で教師の自分を見られることによる「襟を正される感」とか、自分の教師としての在り方みたいなのを見つめなおす良いきっかけにもなった。



ほんまに引き受けてよかったなと思う。



もうひと月もしないうちに教採だ。

彼女の熱意が、面接官に伝わることを願ってやまない。



前途有望な彼女に対してありがとうの気持ちでいっぱいだ。

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