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Think&Said to Myself

日々の日記と思いをミク●ィより赤裸々に(笑)綴りますw

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弱き者たち

『手が空いてるんなら、刷っといて』 と 渡されたテスト原稿。

私、この学年じゃないんだけどなぁ・・なんて思いも少しは過ぎったが、急ぎの仕事はない。ぼーっとお茶でも飲んでいるよりも動いているほうが雑念を忘れられる。

印刷機に原稿をセットしていると、もうひとりの先輩先生がやってきた。

『まさかほんまに手伝わされるなんて思わんかったな』 と イタズラっぽい笑みを浮かべる。


ガシャンガシャンと規則的な音を立てながら、紙が吸い込まれ、インクをのせられ、吐き出されていく。


その音を衝立に、女のグチ大会が始まった。

一緒に印刷をした先生(A先生としよう)は、印刷を頼んだB先生が職場でいちばん苦手らしい。

B先生はクールビューティーという言葉がぴったりの女性で、体育会系で長身なことも手伝って威圧的な雰囲気を周囲に放っている。気心の知れた人間には、弱い部分も気さくな一面も見せるけれど、そうでない人間と気さくに話をするのは稀だ。

そんなわけで、彼女が心を許しきっていない人間には、非常に高圧的な言動を取る。

別に彼女にとっては、偉そうにしようとか、相手を怖がらせようという意図はないと思う。
私が思うに、それは、彼女が自分を護るための手段なのだ、きっと。

男性らしい一面のすぐ裏側に隠された女性らしいしなやかさを隠すための武器。

だから誤解も受けやすい。人目には出さなくてもきっと彼女は人知れずそのことを悩んだこともあるんじゃないかと思う。


私も新任の頃は、そんなB先生が怖くて怖くて仕方なかった。少し威圧的に声を掛けられようものならヘビに睨まれたカエル状態で縮み上がっていた。


でも人間、適応していくものである。
B先生は私を嫌いなわけではない。 ただ、そういう態度しか取れない人なのだとわかってしまうと、怖くなくなった。今ではB先生も私をあだ名で呼んでくれる。


だが、A先生はどーしてもB先生を好きになれないらしく、自分にとって合わないところを論え、しまいには『人としておかしいと思うねんな』というラストカードまで放った。


肯定も否定もせず、私は相槌をうちながら聞いていた。


この業界は、大きなストレスもあるにはあるが、日常の些細なストレスが積みあがっていくことが多い。


「私はむしろ・・・C先生が苦手です」


私もここ数週間、我慢に我慢をしていたので、言ってしまうとすごく心が軽くなった。


『あーやっぱりぃ?意外とそうじゃないかと思ってた』

C先生は、昨年私の教育係をしてくれていた先生だ。いいところのお嬢様がそのまま大人になったような感じの雰囲気で、普段は絶対スカートしか履かない。それも皆いいところのショップの服ばかりだ。
車も高級車で、身のこなしも育ちの良さがありありと透けて見える。


指導能力もピカイチで、市内でも稀に見る優秀な先生と言われ、まさに非の打ち所のない人だった。


違う学年から傍観しているうちは、アコガレの先生というだけだった。
近くで見ると、遠くからは見えなかったものが意外とよく見える。


この彼女の非の打ち所のなさが、私を極限まで追い詰めることになるのだ。


とにかく何をこなしても、完璧にこなしてしまう。

私がトロいのかもしれないけれど、頼まれた仕事を手をつけようとしているとその横からさっとやってしまい『先生がなかなかしてくれないから、もう自分でしました』とにこやかに言われる。

こういうのって、地味に、本当に地味に、自尊心を傷つけていく。


求められることが多すぎて、その半分も消化できないうちから、次のことを言われる。

まるで懸命に助けを求めているのに水中に押し込まれる気分。


くそ丁寧な口調が更に心を蝕んでいく。

『私の言ってることおわかりいただけたかしら?』

『私、何度も先生にお願いしましたよね?なんでやってくれないのかな?』


相手に逃げ場を与えない追い詰め方をする。にこにこ笑いながらトゲを放つ。真綿でじわじわとクビを締めるような、そんな苦しめ方。 私には耐えられなかった。


最初はいちいち落ち込んでいた私だったが、いつしかそれは彼女への嫌悪感へと変化していた。


仕事は完璧にこなせるけれど、子どもの気持ちは本当によく考えるけれど、周囲の人間の気持ちには気を掛けさえしないんだな・・・。


だから絶望の淵にいた私に『先生が元気を出さなきゃ』なんていう、無神経なことが言えるのだ。


最近の私は、一種のアレルギー反応で、彼女の車を見ても、近くを通って、彼女の香水だかシャンプーだかの香りがしても、姿を見るのはもう最上級に嫌悪感が増すようになってしまった。


最初はそんな自分が嫌だった。姿を見るのだけでも嫌なんて、そんな負の感情を持っていることが許せなかった。

でも最近、「いいや、嫌いでも」 と思えるようになって、少し気がらくだ。


別に嫌いだからって彼女にあからさまに態度を変えるわけでもない。普通に同僚としてにこやかに接してるだけでいいじゃないかと思えるようになったのだ。


だって、完璧っていう凶器で、私をズッタズタにしたんだから。絶対に自分が到達できないものを手本にされるの程苦しいことはない。
彼女に気に入られようと必死で頑張ったけれど、どうやっても無理で、彼女の顔色ばかりうかがう日々は、私から私の良さをも奪う結果になった。


「もう、あの真綿で首絞めるみたいなやり方がもうーーーー無理で!」

『そっかー。まだガツンと頭ごなしに言われる方が、耐えれるんやな』

「良い人なんですけどね」

『ほんとに良い人なのかなー?確かに市内でいちばん優秀だって言われるくらいだけど、その裏では先生みたいな思いをしてる人もいると思うんよなぁ。私も去年は全面的に信頼してたけど、今はそうでもないよ』



これが悪口や陰口の部類に入るのか否かはわからない。けれども、色々な人の思惑が交錯する集団の中でこうして誰かに聞いてもらわなければ自分の心が折れてしまうことだってあるのだ。

たとえば、私に休日出勤の日にリハビリに行ったことを咎めたお局様は、あちこちで気に食わない人の不満を口にし、人の欠点を論えることが多々だ。

でも最近は、むしろそちらのお局先生の方が、人間らしさを感じるのである。

彼女は悪口は言うが、隠さない。それが聞こえていようがいまいが意に介さない。他人の気持ち考えたことあるのか?と問いたいほど辛辣な物の言い方をすることも多いけれど、決して後には引かない。


でも、常に正しい立場にいて、私は何も間違った立場にいません的なところに君臨される方が、千の言葉のトゲを貰うよりも、心には堪える。


人の陰口を叩く人は、心のすごく弱い人なのだろうと思った。そして案外、そんな弱い人が多い。今の私も然りだ。

誰も、自分の胸のうちで消化できれば、口には出さない。だけれどもおさまりきらなくて、誰かに共感して欲しかったり、味方であることを確認したかったり、自分は間違っていないと証明したかったりで、この世の多くの内緒話が起こる。


それがわかれば、今まであれほど嫌悪していた、陰口を叩くおとなへの見方が少し変わった。

彼女らもまた、弱いのだ。 


そして自分の心の器の小ささに嘲笑した。


帰路につきながら思う。B先生を散々けなしたA先生に共感してあげればよかった、と。

別に自分はそんなにB先生を嫌いじゃないけれど、A先生としては、誰かに自分のおさまりきらない思いを受け止めて欲しくてぶつけたのだろう。

そういう時、「そうかなぁ?私はそう思わないけど」という答えを返してしまうと、自分なら(わかってくれなかった)と落胆するだろう。

でもたとえそれがウソであっても共感してもらえれば(気持ちをわかってくれる人がいる)って少し前向きになれるんだよね、人間て。



私もまだまだちっさい人間。
真綿でじわじわ・・を許せないんだから。

自分の小ささにため息が出るけれど、仕方ない。今はこれ以上のキャパはないから、許してね。


All man has his faults.なのにね


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