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Think&Said to Myself

日々の日記と思いをミク●ィより赤裸々に(笑)綴りますw

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これから

月曜日。バイトを欠勤させてもらって行ってきた整形外科の診察。


リハビリ施設に月1回、整形外科医が往診に来るらしい。関節の可動域を測るため、一時間半早く来るようにと言われた。


寝そべって、P.T.が足を動かすのをされるがままに、聞こえてくる角度の数値だけはハッキリ耳にこだましていた。


その数値がどれほど良いのか、どれほど悪いのか、専門家ではない私にそれはわからない。でも無機質に読み上げられる数字が数年前のそれと若干違うことだけは確かだった。


「最後に測ったのは2年前やけど、そのときから少し(数値が)下がってるわ」とP.T.



・・・・・やっぱり。。


2年前。初めてこのリハビリセンターを受診したときは、センターの院長が私の診察をしてそのとき数値は聞かされなかったけれど、その数ヶ月前、ちょうど地元の整形外科でも同じ可動域の測定をしていた。


落胆はもう慣れた。慣れてしまえばそれは「落胆」ではなく、ただの感情のひとつになる。



P.T.がバンドエイドを持って現れた。


「それ痛そうやん。貼っとき」


内反足(足が内に向くこと)の影響で薬指の爪が伸びてくると、中指の側部に食い込むのだ。今までは左足だけだったので左薬指の爪の伸び具合には常に気を配っていたが、数日前から歩行時に痛みを感じるな、と思ったら右足も同様の症状が認められた。


4月からは土曜日しかリハビリにいけなくなるし、その土曜日でさえ研修等で潰れる可能性は十分にある。毎週毎週定期的に行けるかどうかわからない。
2月いっぱいでバイトを辞めることを知ると、「3月いっぱい集中的にリハビリする?」と提案してきた。

もしかしたら集中リハビリは入院しなければいけないかもしれないと言うので、通いで来れるのであればすると告げた。



でも毎日毎日リハビリに通ったら、ひと月いったい幾ら掛かるんだろう?
貯えも、引越し業者代にする予定だし、想定以上のお金は・・・ちとキツぃな



整形外科の医師を待っている間に、来ている子どもたちと会話をしたりして時間を潰し、「6年生?」と言われる。


・・・・少年よ、●年生は中学になっても高校になっても大学になってもあるんだよ・笑  6年生が最高じゃないんだぞーーーーーーーー



そうこうしてるうちに医師が来て、診察開始。


担当のP.T.だけじゃなく、そこで勤務しているすべてのP.T.が周りをぐるっと取り囲む。なんだか「財前教授の回診でーーす」を連想する雰囲気。

担当のP.T.より近くで、男性P.T.がひとり、担当以外で唯一色々込み入ったことを聞いてくれたり、適当発言を繰り返す医師にツッコんでくれたりしていた。熱心にメモも取ってくれはる。
私も色々調べているとは言え、それでも専門的な知識は皆無に等しい。言われる説明をただ「はい、はい」と聞くしかないだけの立場は弱い。そんな中、知識のある人が積極的にいろいろ聞いたりしてくれるのは非常に心強かった。



P.T.の責任者だからなのか。それとも私が長年お世話になっているP.T.と仲がいいからなのか、どちらかは私にもわからない。


「うーーん・・・さて、どうするべ」から始まり、医師の表情は患者に希望を与えるものではないように感じられた。


打つ手はないのか。。



案の定、装具どうこうの問題では、もうないらしかった。
手術しか方法がない・・と。


まだ手術って方法があると安堵する一方で、心に黙って落ちてくる重石。「もう手術しかない」


「この人はまだ尖足(病的なつま先立ち)が少ないから、△♂☆~♯◎・・・・(←専門的すぎてわからない)」


聞いている内容が途中からまったく理解できない。この人はおそらく患者にわかる言葉で説明する気がないらしい。きっと医学生たちにも「俺のレベルまでついてこい」みたいなタイプなんだろう。


すがる様にP.T.を見ると、P.T.は笑って、
「これがねー、こうなってないってこと」と実演して見せてくれた。



整形外科医からあった手術の説明はこうだ。私の場合内反転しているのがひざから下なので、すねを切りその中の骨を切って、内反した足の骨を矯正するための器具を入れる。そして一日に少しずつそれを回して行き、骨をまっすぐの状態にまでする、というもの。

すねを切るというだけでも痛そう極まりないのに、その上骨を切ってそこに金属器具を入れて、それで骨をぐりぐり回すだなんて  のののの~ん



世の中色んな術式があるもんですね・・・。しかも整形外科なんて美容外科じゃないんだから、痕のことも考えて細かく縫合してくれたりなんか、しないんだろうなぁ・・・・。

両足のすねに手術痕が残るのを否応なく想像してしまう。。


春からの私の勤務のこととかも心配して癒し系(いつも癒されてる)のその男性P.T.が先生を質問攻め。


「どれくらいかかるもんですか?(入院期間)」

「あんまり急いで矯正してもあれやからなぁ~」

「そうですね~」


・・・・・・・・。。←黙って聞くしかない私。


「金具入ったままやったら、3ヶ月くらいかな。骨がつくまで入院しててもええけど、復帰遅なるしなぁ。アメリカとかやったら金具入ったまま職場復帰してるし、車だって普通に運転しよるで。それに、あれや、とび職の兄ちゃんなんかふっといズボン履いたら金具入ってんのなんかわからへんがな」


金具が入ったままって、どんな状態なんだろう。



想像すらできないでいると、癒し系P.T.が、その癒し系オーラとは対照的な強い口調で、


「先生、そらね、ニッカボッカ履きゃわかりませんよ。でもこの子、女の子ですやんスカート履いたりもするでしょう」


と言ってくれたのだった。想定していなかった出来事に、少し驚いた。


普段、リハビリを受けに来る子どもたちには、底抜けに優しい顔をする。何があっても怒らないんじゃないだろうか、という印象さえ、見ている者に与える。
でも、これからのことを親御さんに話すときの口調や顔つきは真剣そのもので、そのギャップに驚かされる。

痛がってごねている子どもをあやすのも上手だが、ただ面倒くさがっているだけの子どもには同じようにこの真剣モードが飛んでくる。


きっと、この仕事にすごく誇りを持っているのだろう。そう思わせるオーラがある。


だから、このような話になっても金具が入ってようがボルトが入ってようが、それで機能が回復するなら多少の見た目など我慢して当然、というスタンスなのだろうと思っていた。


地元のP.T.から、私が常日頃「かわいい靴が履きたい、ヒールをコツコツ言わしたい」とグチっていることを聞いたのだろうか。
地元のP.T,にはなかなか親とも話せないことも相談している。それが全部バレてんだったら、なんか照れくさいというか、気まずいな

それを知っていたにしろ、こちらに来てからの私しか知らないにしろ、私の気持ちの側に立って反論してくれたことが、すごく嬉しかった
まして、女性のファッションに対する気持ちなどわからないかもしれない、男性のP.T.がである。


「(手術は)3ヶ月ほどなんやから、夏休みの間にやってまえ」という医師に、P.T.が私が春から社会人になることを告げる。

すると、仕事は何をするのかときいてきたので、私が「中学校の教員です」と早口で(緊張)答えると、


「へ?」と素っ頓狂なデカい声が返ってきた。どうやら年配の医師なので耳が遠いらしい。


私がもう一度大きな声で言おうとしたとき、その癒し系P.T.が代弁してくれた。


「がっこうの、せんせいになるんよ。ちゅうがっこうの


・・・・なんで知ってるんだろうこのP.T.に直接教員になることは言っていない。担当のP.T.には報告もしたし、これからのことでちょくちょく話もしたりもしたけれど、担当のP.T.から聞いたにしろ、私とP.T.との会話を横で聞いていたにしろ、自分の担当でもない患者のことをそんなによく覚えていられるものだな、と思う。


プロ根性?   職種違うけど、見習わなきゃなー。


一通り聞いた医師は、「公立学校やったらクビ切られへんから、ゆっくり休んで手術とリハビリしてまえ
ちょうどええわ。ええ職就いたなー自分!」


私は失笑し、周りにいたP.T.はみな、「先生そういう問題ちゃうでしょ」と異口同音ツッコむ・笑


そのときもその癒し系P.T.が熱心に

「そんなん働き始めてすぐ休みますーなんてめちゃくちゃですやんか。この子の立場もあるし・・・いくらなんでもある程度働いて、できるだけ仕事に支障のないときにしないと・・・」と先生の暴走を食い止めようとしてくれていた。


世話になっているP.T.の知り合いの人とは言え、担当ではないので普段は挨拶しか交わしたことがない。それなのに、自分が思っているよりずっと自分の事をわかっていて、考えてくれていることに驚くと共に感謝と嬉しさでいっぱいだった。


手術はするにしても、まだまだ先の話だろう。その間に私のほうでも色々情報を集めなければならないし、セカンドオピニオンも聞いておくべきかもしれない。
ただ、難点なのは整形外科ならどこでも話を聞いてくれるかというとそうではなく、脳性まひにも詳しい整形外科医でなければ、ほとんど何も知らないということも多い。


捻挫で町の整形外科に行っても、いちいち細かい説明をしなければ脳性まひ患者であることがわからない医者もいるのだ。


この日診てくれた医師は骨から行く方法だが、地元で世話になった整形外科医は筋肉を切る方法を推奨していて、幼い頃から手術を幾度となくすすめられた。


そのたびに言われたのが、成功すれば今より筋肉も関節も柔らかくなりますが、失敗すれば車椅子です、と言うこと。


ハイリスク・ハイリターン。


幼少期の私と両親はリターンに賭けるより、リスクをかぶらない道を選んだ。幼いながらリスクの大きさがわかったというのもあるし、単に手術が怖かったというのもある



でも、それで正解だったとその整形外科医に言われた。その地元の医師のこともよく知っているようで、その先生が手術好きというのも知っているようだった。


「あの先生は正直やねん。失敗したらというよりね、時が経てばって言う意味で。
 確かに成功すれば、しばらくは関節も筋肉も柔らかい。でもそれはずっとやないねん。筋肉いじってええことは絶対ない。大きなったら歩けんようになる。手術しとったら間違いなく今頃車椅子の生活やったね」


背筋が寒くなった。もしあそこで手術してたら、今の私はなかったのかもしれないと。



「英語の先生か。俺教えてほしいわ・笑   頑張ってください」


その言葉で診察は終わった。



出来ないことが増えていく。過去の自分を知っているから、情けない。惨めになる。
でもそれでも生きなきゃいけないから、必死で自分の弱い心と闘う。前向きに考えるように、前向きに生きられるように。
でも時折発作的にやってくる不安、恐怖、絶望。自分を嫌悪する気持ち。



ふと、考える。


手術をすれば、歩き方は綺麗になるけど、大きな傷跡も残る。
筋肉の使い方が偏っているので、お風呂で自分の体を見てはため息ばかりが出る。


じぶんは、女なのになぁ・・・と思う。


筋肉ばかりが目立つ体。よく転ぶようになったので、生傷やかさぶたがこの頃よく出来る。打ち身も。
足の裏はタコだらけ。。


こんな私を愛してくれる人はいるかしら。


きれいな女の人を、男の人は好きなのだというのはステレオタイプであるとわかっていても、やっぱり考えてしまう。


内面で勝負するしかないと決めても、自分より明らかに性格のいい女の子と接するとヘコむ


私ってまだまだだなぁ。強くしなやかに生きなければ。
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