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Think&Said to Myself

日々の日記と思いをミク●ィより赤裸々に(笑)綴りますw

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こだま~支え続ける言葉~

『僕はねぇ、ゼミをしている中で、何が一番嬉しかったかって、めぐさんが教員採用試験に合格したときが一番嬉しかった』



この言葉を思い出すと、今でも溢れるものを堪えられない





先日のリハビリの帰り。擦り切れそうな心を庇うために、A駅で自宅とは反対方向行きの電車に乗り換えた。
私がキャンパスに向かうのは、大抵病んでいるときだ。



大学前通りを行き交う学生のほとんどは自分より年下になった。ついこの間まで自分も「20歳になった」と騒いでいたかと思ったら、そこからもう、大学生活と同じだけの年月が過ぎてしまっている。日々を重ねていくというのがたまに少し、恐ろしくなる。 時間が光よりも速いような気がして。

休日だから、周囲の学生たちとしている格好はさほど変わらない。
愛用のリーバイスにブーツ、ビジュー付きのチュニックにPコート、と言った具合。どこにでもありがちな服装。しかし、私の表情はもはや学生には見えないのだろうな、と思う。

学生たちの表情は、罪なほど無邪気だ。
目前に迫る社会に無限の可能性を持っている。私もかつてはそうだった。

しかし、一歩社会に出れば、無限だった可能性は有限であることを知るのにさほど時間は掛からない。
心理面でも、制度の上でも。


そんなことを考えているうちに、見慣れた正門が現れた。思わず深く息をする。

・・・あぁ、やっぱり落ち着く。


図書館横のベンチに腰をおろし、しばし冬枯れのキャンパスを眺める。大学はこの時期、もう春休みだからサークルがある学生や、家が近所の学生くらいで、あとは人の姿はまばらである。


大学院棟横の芝生を散歩し、坂の下に広がる工学部棟や、学食や購買部のある棟を眺める。
すべてがあの頃のままだ。
4年と言う歳月は短いが、その短い時間を過ごした場所は、私の心にもうすっかり、しっかりした根を張っていたのだ、と気づいた。


当初、キャンパス内を1周りして帰るつもりでいたが、ふと研究室棟の前を通りかかると、A先生の研究室の窓から明かりが漏れている。

いるのかもしれない。いるなら少し話をして帰りたいと思った。
メモリの一番初めに入っている番号を呼び出す。ほどなく懐かしい声が聞こえた。


大学にいるという先生に行っても良いかと尋ねると、快くOKしてくれた。

研究棟の懐かしい鉄の扉を開ける。
やけに音の響く階段も、懐かしい。


合研を暖めて、先生は待っていてくれた。

『風邪をひいたのかい?寒い日が続いてますからねぇ。もうすっかり先生の声だな』

『先生の声』というのがどんな声なのだか、私にはわからないが、私は自分で自分を教師だと、まだ思うことが出来ない。


最近、仕事に行くのが辛いこと、教師という仕事の限界を感じること・・・などを告げた。

『今年は、めぐさんという人間を知らしめるための1年ですよ。来年(度)からはきっとうまく行くはずです』

A先生の声が心に染み渡る。


今も時折思う。少しお金に苦労してでも院に進んだほうが幸せだったのではないか、と。
最近、勉強したくて、論文が書きたくてたまらない。その一方でどんどん私の英語力はほころんでいく。そのジレンマ。。。

きっと無いものねだりなのだろう。
仮に院へ進んでいたとして、お金に苦労していることは想像に難くない。そんな時、一足先に社会に出て、社会人として相応のリッチな生活をしている友達を見たら、不安と、自分も就職すればよかった、なんて考えが過ぎるのだろう。


でも、やっぱり大学院には進みたい。たとえ、その日が来るのが、中年のおばちゃんになったときだとしても。
学歴(それが高かれ低かれ)は自分を裏切らない。絶対。  記憶から学んだ一切が抜け落ちる日が来るとしても、学んだ証は、やったという事実は、誰にも消せやしないからだ。



私が教師でいていいのかわからない・・・という私にA先生が放った言葉がそれだった。

涙が出そうになるのを必死で堪えた。教採に受かったのを心底喜んでいる人間なんていないと思っていたからだ。



『僕が一番印象に残っている学生がめぐさんとHさんです。二人とも1回生の頃からずーっと僕の講義を一番前の席で受けてくれてたでしょう。』

『こういう言い方をすると「心外だ」と思われるかもしれないけど、めぐさんはずーっと特別な事情を抱えながらも一生懸命頑張ってきた。だから採用試験に受かったときは、やっとそのがんばりが報われたんだと、嬉しかったですよ』


赤の他人で、ここまで自分を見ていてくれる人が他にいるだろうか。

この先生との出会いがなければ私は、教師になるという夢半ばで挫折していたかもしれないのだ。


自分の実力よりはるかに上の大学に、どういうわけか入れたはいいが、周りとの学力の差にクサクサしていた。
授業にも無気力になっていた。英語が「好き」なだけじゃ、やっていく資格はないと思った。


そんな中、バイトの帰りに偶然A先生と出会ったとき、『いつもがんばっている姿を見て、知っていますから』と言ってくれたのだった。
その当時、真面目とは程遠い学業成績だっただけに恐縮したが、同時に(こんな私でも、頑張っているといってくれる人がいるのか)と衝撃ですらあった。自分を認めてくれる人がいるというのは大きい。

その日を境に、特別な事情無く講義をサボることはなくなり、勉強にも意欲的になった。
先生がこういう効果を意図して言ったのか、何気なく言った一言だったのかはわからないが、私は大いに救われたのである。

そして、卒業してからも、先生には救われっぱなしだ。



辞職願を書こうかと、半ば本気で考えるとき、脳内で先生の声がリフレインする。

『僕はねぇ、めぐさんが教員採用試験に合格したときが一番嬉しかった』
『僕はねぇ・・・・・・教員採用試験に合格したときが一番嬉しかった』

『・・・・・一番嬉しかった』


そう言ってくれる人をがっかりさせてはいけない。

その思いで、辞職願を書けと迫る悪魔な自分を振り払う。この言葉はこれから先もきっと、教師の私を救うだろう。


私は本当にいい恩師に出逢った。


先生の白内障の手術、うまく行きますように。
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