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Think&Said to Myself

日々の日記と思いをミク●ィより赤裸々に(笑)綴りますw

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不透明な真実

はじめこそ眠いばかりだった朝型勤務の冬期講習にも慣れてきたw
普段担当していない生徒の特徴もようやく掴めて来た、折り返し地点の昨日。



小さな事件が起きた。





通常授業でも担当している中1の女の子2人。2人は幼馴染のようで中学も同じクラス。

容姿端麗でネコのような雰囲気を持った髪の長い子(Mさんとしよう)と、人懐っこく、笑顔で元気のいい子(Sさん)。一見対照的な2人だが、実に仲がいい。朝が弱いMさんをSさんがモーニングコールして起こして一緒に来ることもしばしば。
その仲の良さは見ていてほほえましい



欠点はほとんどないが、唯一あるとすればおしゃべりが多く、なかなか演習をこなせないこと。

そして時々おしゃべりの度が過ぎてしまうこと。講師たちも気がつけば注意をするのだが、注意をしても一旦ヒートアップしたものは下がらないこともたまにある。


そういう子もいる、という事実を私は前々から身を以って知っていたので一旦2人の性格がわかってくれば、そういうときの扱いにも慣れた。

はじめは授業中にケータイを触ったり、机の上に置くなと注意したが「△先生はいいって言ったもん」の一点張りでなかなか机上からかばんに戻そうとしなかったが、この頃は「ケータイ出てるで」というだけで、片付けるようになったし、ケータイを事あるごとに触っていたMさんも私が横からケータイを閉じると、ぶーぶー相当の文句は言いながらもポケットにしまうようになった。
本当はMさんもかばんの中にしまうように指導したいけれど、何を言っても利かなかったはじめの頃に比べればポケットに入れるようになっただけ、大きな進歩かなと大目に見ている。


たまに「若干騒音だよ」と言いたくなる話し声も、「ちょっとうるさいで。もうちょっと声落とそう」と言えば、すぐに応じる素直さも見せる。ただ、そのままほうっておくとまた声のボリュームが上がってきてしまうので、その都度言い聞かせる根気は必要だが、言うことを利かない子よりはずっと良い子たちだ。



演習量は少なくとも確実に押さえていくようにさせ、同じ間違いをするたびにそれを正す。それでも苦にはならない。最終的に自分の力にしてくれるなら、同じことを何回言ったってかまわない。




昨日の授業中、Sさんが「なぁ先生。ウチらと喧嘩したらどーする?」と聞いてきた。

私の発した第一声は「はぁ?」だった。前後の文脈からはありえない話だし、そもそも「喧嘩」という表現が引っかかった。
一応彼女らの「先生」である私が「生徒」である彼女らと「喧嘩」をすることはありえない。


喧嘩というのはお互いが対等な立場で争いをしたときの場合に用いる言葉だから。「先生」と「生徒」で万が一、「喧嘩」をしたならば、それは先生の対応が悪いのでしかない。


だが、相手はまだ中1。そこまで深く考えて言葉を選んではいないだろう。


「まぁ、喧嘩はしないと思うけど。。私に注意されたりすることを言ってんの?」


「静かにしなさい」なら何度も言ってるけどなぁ。そのことではないだろうし



「もし、もし喧嘩したら、次の週まで引きずる?」と不可解なことを聞いてくる。



「喧嘩」の原因や内容にもよるが、注意や叱るというのは悪いことをしたその場で叱らなければ意味がない。あとになってうだうだ言ったって、子どもは「悪いことをして叱られた」ではなく「過去を蒸し返していやなことを言われた」で終わるのだ。



私は話をしなければならない問題なら、次の週にも話をするかもしれないが、その場で終わることなら次からは(おこらずに)何もなかったように振舞うと答えた。


たとえ、どんなに腹がたつことを言われようがそれでいちいち不機嫌さを引きずっていては「先生」をする資格はないと私は思う。



すると、「ふうん」と2人ともが意味ありげな表情を浮かべる。自分にとって都合の悪いことを隠すのはうまいのに案外こういうところの表情は素直に出るんだな、なんて思いながら、なぜそのようなことを聞くのか尋ねた。



最初はお決まりの「別に~」を口にしていた彼女らも、「なんで、気になるやぁん」と私が突っ込むとあっさりと話し始めた。一応そうは言ったものの、本当は聞いてもらいたかったんだなというのがすぐにわかるくらい素直な話し始めだった。



「でもな、ひきずる大人がいるねんなー」とSさん。


あらゆる予測ができた。姉と喧嘩したのか。学校で教師ともめたのか。はたまた親との喧嘩か。どれもよくあることだ。




話を5分と聞かぬうちにピンときた。同じ塾の某男性講師のことだった。彼は私の前任で彼女らに英語を教えていたが、先生と彼女らが合わなかったので私が後任になったと上司から聞かされていたからだ。


合わなかったと聞いてから、なんとなくその様子が想像できた。先生のほうはと言えば、真面目と誠実、優しさが服を着て歩いているみたいな形容が似合う人だったし、その反面、彼女らはやんちゃ極まりない。真面目な人からして見れば、高い月謝を払って通っておきながら、ぴーちくぱーちくおしゃべりをして、先生をからかって勉強をそんなにせずに帰っていく彼女たちを理解できないのも、まぁわからんでもない。



しかし、「合わない」の度合いは私の想像をはるかに超えていた。      続く
ある日、うるさいのを注意された彼女らだったが、それでもその注意を軽んじたらしい。先生が腹を立て、「死ね」と言った挙句、翌週は授業放棄したというのである。


耳を疑った。そんなことを信じられる先生ではないからだ。


「どうせ悪いことしたんやろ」と私が言うと、「してない」と言う。
「うるさくしてなかったか」と言うと「少しね」と言う。


彼女らの「少し」は「結構」に等しい。笑


うるさくしていたのなら、あんたらも悪いと言うと、でも「死ね」とまでいうのはひどいのではないかと言う。確かにそれはそうだ。



しかし仮にも、このような職業をしている人が、いくら腹が立ったからと言ってそこまでの発言をするだろうか。先生云々ではなく人間としてどうなん?と思う内容である。
しかも、その先生は大学で教職科目も履修しているのだ。


私自身がそれが真実でないと思いたかった。教師になる・ならないにかかわらず、一瞬でも教員免許がほしいと思い、教職を取っているのなら、たとえ生業として教壇に立たなくても、その部分は判っていてほしい、と。


それにこれくらいの年の子は、一旦気に食わないと思った大人を貶めるためには手段を選ばない怖い一面も持っている。だから事実100%を話しているのではなく、多少真実に飾りつけがなされているだろうとは思っていた。


問題はその「飾りつけ」の量がどれくらいか、である。



前後する話を整理すると、「死ね」と言われたその日は、気まずいまま別れることになったと言う。そしてその翌週は何をしなさいという指示も出さず、口も利かず、挙句寝始めた・・・というのだ。



彼女らの話が本当なら、呆れるを通り越して物も言えないと言うのが本音だ。このシゴトをしているという自覚があるのだろうか。仮にも労働に見合うだけの時給はもらっているのだから、自分の仕事がなんであれ全うにこなすべきではないのか・・・と思う。



しかし、100%先生を責めるわけでもない。彼女らの日ごろの態度には時折目に余るものがあったし、ましてや真面目な先生にとってはそれが我慢ならなかったという可能性もある。その上上司や他の親御さんから彼女らのうるささに関して苦情が来ていたから自分の体裁を思って、必要以上に敏感になったというのも考えられる。



特にその先生は、入ってまだ1年も経っていない筈だから、なおさらだろう。人間、新しい環境に入るとまず周囲の評価を上げようと必死になるものだ。私などはもう3年続けていてある程度、この先生はこんなことしない、とか、こういう状況でもなんとかやる、という範疇が周囲にわかっているから、数分生徒がぼーっとしていても手が空いていないときはある程度、注意をしながらも放っておく。

しかし、新人の先生は少しでも生徒に問題があるとそれを過剰に捉えて、おさめようとする。(私もはじめはそうだった) 結果余裕がなくなる。余裕のない大人を見れば、子どもも多少不安定になる。


「自分が怒られるのが嫌やからなー、ウチらにあんなこと言うたんやで」と言う。


つまり先生が自分の世間体を気にして度が過ぎた注意をした、それも腹立つというのである。



彼女らの気持ちは痛いほどわかった。だって私も中学生の頃、周りの大人に同じことを思っていたのだから。大人はみな世間体を気にする。そんな大人はくそ食らえだと思っていた。



私はまず、もし先生がそう言ったのだとしたらそれは確かに悪いこと、でも、そういわせるまで追い詰めたのは君らの態度だと言うことを伝えた。
ただ、双方の年齢を考慮すれば、先生はもっと別の対応があったと思うが。



残念な出来事だが、起こってしまった事は取り消せない。それに今回は発言の主が『先生』であるということで過剰に反応しているが、世の中ひどい奴は往々にしているのだ。自分の常識の枠に当てはめられない人間も、顔を見れば気分が悪くなるほど合わない人も、それはいるだろう。



でもそれが社会と言うものだ。どんなにいやな人間とも共存していかねばならない。今回の事はあってはならない出来事だったが、彼女らに「なにか」を考える契機を与えたのではないか。そう思い、私は授業を脱線させた(もちろん意図的に)



彼女らくらいの年齢の子はいやな子がいればシカト、ムカつけばいじめ。とにかく気に入らない者は排除しようという心理が働く。それはまだ、自分の苦手な人間とどう適当な距離をとって付き合えばよいのか、その方法がわからないからだ。だからシカトやいじめなどで自分から切り離してしまう。



「今回の事は確かにあんたら、腹を立てたやんな。でも世の中には色んな人間がおんねん。自分が好きな子もおれば、どうしたって好かん子もおるやん。自分があの子と友達になりたいと思ってても、向こうはさらさらそう思ってないこともあるし、逆に『あいつほんま嫌やー』って思っても向こうは自分の事気に入ってる場合だってあるやろ?今は自分の苦手な人とは付き合っていかんでよくても、5年10年経ったら、顔も見たくないくらい嫌いな人とでも一緒に仕事をしたり勉強しなあかんねん。そのとき「嫌や」では済まされへんねん。そう思ったら今回のことは『色んな人がいる』っていうことを身を以って勉強させてもらえた、と思ったらええんよ。」



「それに先生も、もしかしたらあんたらみたいな性格の子と接したり話をするんが初めてだったかも知れんやん。自分も今まで接したことのないようなタイプの子と接するとき戸惑うやろ?先生もうまく接する方法がわからんかったんかもよ」


そう言うと、「うん、お前らみたいなん見たことないって言われた」と返ってきた。



「もうおきたことはしゃあないねんから、それをしこりを残したまんま生きてても時間もったいないし、今回のことは『色んな人間がおる』って事を学ばせてもらったんやって前向きに考えようや。自分が嫌いな人からも学ぶところはたくさんあるんやし」


そう言うと、彼女らは、


「まぁな、あいつ(先生)はまだしこり残ってると思うけどなー。ウチらはオトナやからオトナな対応をするわ。そう考える」


一見生意気な口の利き方にも聞こえるが、確かにこのときの彼女らの対応は「オトナ」だった。その先生よりも彼女らの方が、一枚上手であった。この子ら、賢いな、と素直に思った。



こういうときの対応の仕方を教職の授業などでロールプレイしたりしたことは何度かある。でも、そのときの設定は、生徒らが勝手に他の先生の悪口などを言っているというのがほとんどで、先生側に非がある場合を想定しない。



こういう場合、言われた側は中立的な立場を取るようにしなければならない。生徒を擁護するような発言ばかりしていると自分がシゴトをしづらくなるし、同僚ばかり擁護すると生徒は傷ついてしまう。



しかし、今回は明らかに先生にも非があるのだから、対応に苦慮した。それに先生にもプライドはあるだろう。



先生の気持ちと彼女らの気持ち、両方判るだけに、胸が痛かった。もうこの年齢になると、自分の通ってきた中学生の心理もわかるし、組織の中の大人の心理もわかってくるようになる。何も考えずに破天荒で生徒のことだけを思う先生は生徒に好かれるだろう。しかし、それで先生集団を乱しては、結果的に自分の満足いく仕事は出来なくなるのだ。



先生の気持ちもわかるが、でもやはり心のどこかでは生徒たちを100%擁護する自分がいる。


それは自分が先生の立場でも、絶対同じことはしない、と断言できるからだ。



人間として、男としてのプライドはあるかもしれない。でも彼に「先生」としてのプライドはあるのだろうか。あるのなら、今回のような言動は、そのプライドが許さないのではないのか。



彼女らは言った。「あいつ、まだ19やしな、平成生まれやしなー」


私は思わず「あんたらも平成生まれで13やろ!!!」笑    と苦笑しながらツッコんだが・・・・・。。



19か。これから人生経験を積めば、それが彼の糧になるだろうか。


聞き分けのいい生徒ばかりではないし、根は良い生徒でも、対処の仕方を誤れば、その根を枯らすことにもなりかねない。


少なくとも今回のことは彼にとっても、何か考えることがあったはずだ。これを糧にして何かを考え、それを自分の肥やしにして自分の幅を広げてほしいと切に願う。


もし、彼が今回のことに何も感じず、彼女らの事も「面倒な子どもだ」としか思わないようなら、厳しいようだが教職を取るのも、このバイトも辞めてほしいと思わざるを得ない。


そこまでではないと思うけれど。



生徒に何かを教えてお金をもらう商売でも、彼らから学ぶことのほうがずっとずっと多いのだ。そのことに彼は気づいただろうか。



彼に言いたい。こちらは、生徒を選ぶ権限など与えられないのだと。どんなに嫌われても、自分の苦手な子でも「来るもの拒まず」で両手を広げていなければ「先生」の資格はない。


一度サシで話がしたいが、それをするにはまだ事件が起こってから日が浅い。

それに心なしか、彼女らが私にその話を打ち明けてから、彼の私に対する態度はどこかぎこちない。



でもまだ19歳。可能性は無限。いい講師になられることを願う。老兵が去る前に彼に何か、言葉を残していけたらと思うが、まだ今はここぞという言葉が見つからない。
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