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Think&Said to Myself

日々の日記と思いをミク●ィより赤裸々に(笑)綴りますw

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嵐が丘

こぼれてく。こぼれてく。。

両手から。

指と指の隙間をぎゅっと埋めても、埋まりきらないその隙間から、

こぼれてく。

嘲笑うかのように。

必死で必死でかき集めても、

その量はこぼれる量に到底追いつかない。




今週月曜日。

体育大会予行練習(土曜)の振替休日だったため、リハビリを入れてもらった。しかし、その日は夕方市教委での研修も予定されていて、あわただしい1日。

どうしても10分は遅れてしまうため、リハビリのほうを休むかどうか迷った。でも、その振休を利用しなければ次まで3週間もあいてしまう。ますます寒くなるこの時期、できるだけ行ける時に行っておきたかったので校長に相談すると、教委には連絡しておくので行ってこい、とのこと。

お言葉に甘えて、リハビリに行ってから研修に行くことにした。

研修会場は勤務先の市の市役所の一室。私の家も勤務先の駅も私鉄が近いので、普段あまりJRは利用しない。
が、市役所はJRから徒歩7分。断然近い。

リハビリをしながら、私の心にはある不安がちらついていた。
その不安をP.T.に告げようか否か逡巡しているうちにリハビリは終わり、担当は次のクランケの元へと急ぐ。


忙しい彼女に、ついにそれを口に出来ぬまま帰路につく。

心をぶちのめされるきっかけというのは、案外どこにでも転がっているものだ。
まず、天王寺駅で乗り換えが必要だったが、7分というタイムラグにすっかり安心しきっていると、快速を逃した。

先ほどまで表示されていた電光掲示板の時刻が、たった今ないことに戸惑いながら時計を見るとちょうど発車時刻。

7分もあるのに・・・。

同期の言葉がちらつく。

『めぐさん、春に比べて歩くの遅くなってない?疲れてんちゃーん』


まさかね。



気を取り直して、次の快速に乗った。予定では16:20頃には会場に着いているはずで、1時間ちょいは話が聞ける筈だった。


目的の駅が近づき、私は必死で脳内にまとわりついて離れない不安を払拭しようとあらゆる気休めを心の中で言う。


しかし、扉が開き、私を待っていたのは、闇だった。


ぽっかりと口を広げる闇。

そこに勝とうと懸命に足を伸ばす。が、出ない。出しかけた足を引っ込め、その闇を睨み付けた。

間の抜けたメロディの後に電車のドアは閉まり、徐々に速度をあげていく。



降りられなかった。

前々から、少しホームと電車との隙間があるなとは感じていたが、4月に辞令を受け取った日には1人で乗り降りできた駅である。

たかがこれしきの幅。それを越えられなかった。
その事実は、心をなぶっていく。

次の停車駅でも同じだった。降りられると何度も自分に言い聞かせたが、だめだった。


結局2つ先の駅まで行ってしまった。

とにかく教育委員会に電話しなければと思ったが、生憎府の教育委員会の番号しかメモリには入っておらず、市のそれはなかった。
学校に電話をしたが、休日の夕方。当たり前のように誰もいない。

校長の携帯に電話を掛けた。見慣れた重厚感ある声が私の耳に届く。
私が尋常ではない声で、教委の番号を尋ねるのを不思議に思ったのか、理由を尋ねる校長。

答えるには容易いことだった。・・・が。

それを言葉に出してしまうのは、それを言葉にして自分に再認識させるのは、とてもつらいことだった。

「●●の駅で、電車を・・・ひとりで」

先が言えない。
でも言わねばならない。苦しい。。

「ひとりで・・・降りられなくて」

嗚呼。これが事実。
自分の声が震えているのを、恥ずかしいと思った。情けないと思った。。

「今K駅にいるんです。これから引き返します。すいません」


同じことが前にもあった気がする。学生時代、応援に通っていた教室の最寄り駅が乗り降りしづらく、いつもひとつ先のM駅まで乗って1駅引き返すという通勤を繰り返していた。


様々な感情がごちゃごちゃになったまま、電車は私を乗せる。

引き返したはいいが、やはり降りられない。
向かいのホームにいる車掌にひたすら目力を送ったが、気づいてくれない。

2つ先の停車駅まで向かえば私鉄と連結している。それで勤務校の最寄まで行き、バスで行くことも考えたがその方法では確実に研修が終わってしまう。
なんとしても降りなければ。


目の前に女子高生が乗ってきた。様々にめぐる別な思いをすべて打ち消して言葉にした。

「すいません、手を貸してもらってもいいですか」


何のためらいもせず、笑顔で「あ、はい。いいですよ」と腕を貸してくれた女の子。

自分ひとりではあれほど怖かった闇を、難なく越えることができた。

その女の子にお礼を言い、会場へと急いだが結局受けられたのは15分間のみ


指導主事には嫌味を言われ、受付の女性には「めぐさん先生、どうしたんですか、なんかエラい顔してますよ」と言われる。。


だんだんよわくなっていく私。
見ているしかできないじぶん。

悔しい。
情けない。
怖い。。

そして、そのどれにも分類されない感情が憤怒するように湧く。

数時間前に顔を見たばかりの担当や癒し系P.T.の顔が浮かぶ。会ったばかりなのに、もう顔を見たいと思う。
安心したかった。させてほしかった。。何をかわからないけれど、大丈夫だと。。


木枯らし1番が身にしみた。


情けなくて、消えてしまいたいと思った。     続く


 

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