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Think&Said to Myself

日々の日記と思いをミク●ィより赤裸々に(笑)綴りますw

カテゴリー「学校奮闘記!」の記事一覧

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冥利に尽きる。

家庭訪問真っ只中。

幸い心配したお天気はどうにかなっているが、なんせ暑い

それでも新任の頃は真っ黒いスーツで汗をかきかき行ったが、もう最近は襟シャツオンリーとか、きれい目のサマーニットで走り回る。
後輩がビシっとスーツで行くのを眺める、やさぐれた4年目・笑



何と言っても校区がひたすら広いウチの学校

学校の周りは新興のマンションが多く、大通りに面しているため車もなかなか駐車できない。
そのためいつもその地区は自転車で行くのだが、今回長い間倉庫に入れっぱなしにしていた愛用の職場チャリが前後輪共にパンク


徒歩と車だけで回ってやるさっ・・・あーしんど


幸い歩いていくのはキツい離れた地区は、どことも近所にコンビニがあったり、家の前の道に停めてもそれほど邪魔にならない道であったりで、駐車場所には苦労しなかった。

ただ一度、初日に喫茶店のに停めたら、ガラの悪いマスターに散々怒られた・・・


・・・すいません、今度珈琲でも飲みに行くから許して・笑



めっちゃくちゃ喋ってくれるお母さんもいれば、こちらから話題を振らないと何も言ってくれないお母さんもいる。
今回は話しやすい人が圧倒的多数でよかった



今年は私の体の説明を詳しくプリントにもして配った。これは初の試み。
お手紙にすることで保護者の方にも読んでもらう狙いだ。


もちろん、その中の何枚かは机の中でスクラップになっていたり、道の途中でくしゃくしゃになってたりもするんだろうけど、最初から100%を目指してもいない。


少なくても読んでくれれば、そこから少しずつ広がっていけばいいな、というゆる~い目標のもと



でも、思ったよりおうちの人も読んでくれていて、理解を示してくれたのがうれしかった。

手すりのない石段のあるお家とか、お母さんが下で待っていてくれて、手持っていっしょに階段あがってくれたり。


丸3年、この仕事をしてわかったことは、できないことは早々に認めてしまう。もちろん身体面で。
抗うのはプライベートの時間だけ。仕事に行ったら、できないことにめそめそしない。これ鉄則!

できないのに無理をしても自分が惨めになるだけだし、そんな気持ちで子どもの前に立っていては足下をすくわれてしまう。


今年のクラスは優しい子が多い、という印象。

荷物を持って歩いていても、誰かが持とうかと言ってくれる。
説教をしている子がダッシュで逃げ出したら追いかけて連れ戻してくれる子がいる。



中でも嬉しかったのが、1人のお母さんの言葉。


『うちの娘ね、先生のことが大好きなんですよ。  いつも先生が喋ったことを小さなことでも私に言うんです。(中略)でも、先生の親御さんもうれしかったやろうねぇ。先生が教師になったときは。うちの身内かって、いつも心配してましたもん(親族に体の不自由な方がいるらしい)先生の親御さんもきっとめっちゃ心配してはったと思うよ』


先生のことが大好きか。
クラスの子に言われるのは4年目ではじめてだ


帰り道、顔がゆるむのが抑えきれない。


こういう瞬間、これからもがんばろうって思えるんだよなぁ。


何より励みになる。


よっしゃー残りも頑張るでぇ
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研究授業

毎年恒例になりそうな、この時期の研究授業。

今年は府教委から3名、市教委から1名。


あれ?市教委が2名いるやん・・・と思っていたら、お名刺いただいてびっくり肩書きの最初が『大阪府教育委員会』になっている。

栄転??


今年は1年生の授業。Whatを使った疑問文と、Itで答える一連の文法事項。


What's this?と色々なものを見せて言う。  ハイブリッド野菜の『トマピー』とか『キャベコン』『ポマト』などは子どもの関心も高い。

てか、ハイブリッド野菜、実用化してほしい特に『キャベコン』なんか、1本でロールキャベツと風呂吹き大根両方できるやん

おまけで、私の地元県警察のマスコットキャラクターもWhat's this?と聞いてみる。


『えーdog?』
『でも服着てるで』
『警察の服ちゃうん?』


ふふふ・・・わかるまい


「○○くんでーーーす!!!It's ○○」


『知らんわ』と一同総ツッコみ・笑



みなさま、『つれもてしよら、シートベルト』(一緒にしよう、シートベルト)www




若干子どもたちの表情も固かったけれど(まぁえらいおじさんと普段は見に来ない先生たちがずらーって並んで見てるんだから当然)授業も無事終わり、研究討議(反省会)。



為になる意見をいっぱいいただいた。特に今回、板書計画がちょっと甘かったから、その点はたくさんの人に言われてしまった

でもこれまでよりは褒められるところも多かった。 ちょっと進歩したって思っていいのかな??




でも何より嬉しかったのが、クールビューティーな先生(滅多に褒めない)に『授業、上手になったなって思った』って言われたこと。


教委のえらい先生に褒められるよりも数千倍嬉しいわ



でも、まだまだ。もっともっと子どもの目線が下がらない授業を目指したいw

すぐそばの味方

『俺ね、そういうの嫌なんッスよ』

いつもの彼のように落ち着いた声だったが、その物言いにははっきり意思がこもっている気がした。


『授業をメインで持ってもらってないのに、テストの採点とかノートチェックとかそんな、まぁ言うたら面倒な仕事を先生に押し付けるみたいなんは嫌なんっすよ。だから、全クラス自分で採点します。・・・でも、どうしても無理って時は助けてください


殺伐とした、様々な思惑が浮遊する職場で、彼のように本当に人のことを考えている人間は少ない。だからこそ、時折そういうのを見せられると、救われる。


飼い殺しな身分の今、当該学年の授業は1クラスもメインで持っていない。だから、テスト採点の義務も発生しない・・・が原則なのだが、それでは私自身も存在意義を見出せない。


育ちの良いお局様は、何組と何組の採点は私がするように・・・とてきぱきと決めた。さらに、

『先生、このワークも見ておいてくれるかしら~』


一応疑問文にはなっているが、Yes以外の答えは言ってはいけないのだ、と彼女の無言の圧力が掛かる。


勿論、テスト採点にも提出物のチェックも文句はない。

でも私がどうしようもない気持ちにさせられるのは、どうも彼女が『あなたは楽をしてるんだからこれくらいやって当然でしょ』みたいな気持ちを持っているような気がするから。

私が彼女を好きになれないから、そういう物の見方をしてしまうのかもしれないけれど・・・。。



確かに仕事の負担という意味では軽いほうかもしれない。でも精神的な重圧が減ったかと言えばそうではない。

明日の授業をどうしようと、頭を抱えるのは1年生だけでよくなったので、そういう意味では重圧は減ったのだが、また違う種類の重圧が私にのしかかってきているのだ。


やっぱり私も授業を任されたい・・・と。

やっぱり飼い殺しはつらい・・・と。。


普段は敢えて考えないようにしている。どんな形であれ、教師を続けていられるだけで幸せなのだ・・と己に強く言い聞かせて。与えられた仕事にのみ意識を研ぎ澄まして考えないようにする。

でもふっと無になるとき。


たとえば、寝る前の一瞬とか、帰りの車の中とか、TVがCMに切り替わった瞬間とか。


そんな一瞬に出てきてはひどく私を困らせる。


そんな日々をすごしていることにお局は気付きもしていないだろう、きっと。




   

『先生も半分メイン持ってもらった方がええんかなってずっと考えてて・・・やっぱりTTの良さって2人いてることやと思うし。2人でないとできんこともあるし』


彼の観察眼には舌を巻く。周りをよく見ているだけじゃなく、心情まで汲み取れているんだから。
彼の彼女は幸せだな・笑  あ、でも、存在が近しくなればなるほど、冷静に見れなくなるものだけどねw笑


ずっと胸の底に押し込めていた思いを見せてみようと思った。彼ならきっと理解を示す筈だと・・。


「ぶっちゃけ言ってね、私も授業したいんですよ

『やろー?絶対そうや。授業してなんぼスもん。』

「でも管理職が決めたことやし・・・上は変わったけど・・・」

うーーーんと唸り声だけが響く。

「それに、もし私が持って(クラスの状態が)崩れたらって思ったら怖いし・・・」

『俺も、提案してもしうまいこと行かんかったらあれやから何ともよう言わんけど・・・』

「途中からやり方変わったら、子どもも混乱するやろうしねぇー」

『机間巡視するだけじゃなくて、やっぱりもっともっとできることあると思うんスよ。あんまり打ち合わせする時間ないけど、TTやからこそ出来ること考えて行きましょ』



『よっしゃーがんばろ』と喝を入れ、彼はまた目の前の解答用紙に赤ペン片手に挑み始めた。


ほんま、良い奴


2年もいたら、良い意味でも悪い意味でも組織に染まってしまう部分が出てくるのに、彼はまだ冷静に物事を見ている。


飼い殺しが本意ではないと知っていてくれるだけでも有難いのに、それを『そんなんお前が悪いねんから』で片付けられないのが、更にありがたい。


少しでも理解者がいれば、何とかやっていける。


ほんま、ありがとう

弱き者たち

『手が空いてるんなら、刷っといて』 と 渡されたテスト原稿。

私、この学年じゃないんだけどなぁ・・なんて思いも少しは過ぎったが、急ぎの仕事はない。ぼーっとお茶でも飲んでいるよりも動いているほうが雑念を忘れられる。

印刷機に原稿をセットしていると、もうひとりの先輩先生がやってきた。

『まさかほんまに手伝わされるなんて思わんかったな』 と イタズラっぽい笑みを浮かべる。


ガシャンガシャンと規則的な音を立てながら、紙が吸い込まれ、インクをのせられ、吐き出されていく。


その音を衝立に、女のグチ大会が始まった。

一緒に印刷をした先生(A先生としよう)は、印刷を頼んだB先生が職場でいちばん苦手らしい。

B先生はクールビューティーという言葉がぴったりの女性で、体育会系で長身なことも手伝って威圧的な雰囲気を周囲に放っている。気心の知れた人間には、弱い部分も気さくな一面も見せるけれど、そうでない人間と気さくに話をするのは稀だ。

そんなわけで、彼女が心を許しきっていない人間には、非常に高圧的な言動を取る。

別に彼女にとっては、偉そうにしようとか、相手を怖がらせようという意図はないと思う。
私が思うに、それは、彼女が自分を護るための手段なのだ、きっと。

男性らしい一面のすぐ裏側に隠された女性らしいしなやかさを隠すための武器。

だから誤解も受けやすい。人目には出さなくてもきっと彼女は人知れずそのことを悩んだこともあるんじゃないかと思う。


私も新任の頃は、そんなB先生が怖くて怖くて仕方なかった。少し威圧的に声を掛けられようものならヘビに睨まれたカエル状態で縮み上がっていた。


でも人間、適応していくものである。
B先生は私を嫌いなわけではない。 ただ、そういう態度しか取れない人なのだとわかってしまうと、怖くなくなった。今ではB先生も私をあだ名で呼んでくれる。


だが、A先生はどーしてもB先生を好きになれないらしく、自分にとって合わないところを論え、しまいには『人としておかしいと思うねんな』というラストカードまで放った。


肯定も否定もせず、私は相槌をうちながら聞いていた。


この業界は、大きなストレスもあるにはあるが、日常の些細なストレスが積みあがっていくことが多い。


「私はむしろ・・・C先生が苦手です」


私もここ数週間、我慢に我慢をしていたので、言ってしまうとすごく心が軽くなった。


『あーやっぱりぃ?意外とそうじゃないかと思ってた』

C先生は、昨年私の教育係をしてくれていた先生だ。いいところのお嬢様がそのまま大人になったような感じの雰囲気で、普段は絶対スカートしか履かない。それも皆いいところのショップの服ばかりだ。
車も高級車で、身のこなしも育ちの良さがありありと透けて見える。


指導能力もピカイチで、市内でも稀に見る優秀な先生と言われ、まさに非の打ち所のない人だった。


違う学年から傍観しているうちは、アコガレの先生というだけだった。
近くで見ると、遠くからは見えなかったものが意外とよく見える。


この彼女の非の打ち所のなさが、私を極限まで追い詰めることになるのだ。


とにかく何をこなしても、完璧にこなしてしまう。

私がトロいのかもしれないけれど、頼まれた仕事を手をつけようとしているとその横からさっとやってしまい『先生がなかなかしてくれないから、もう自分でしました』とにこやかに言われる。

こういうのって、地味に、本当に地味に、自尊心を傷つけていく。


求められることが多すぎて、その半分も消化できないうちから、次のことを言われる。

まるで懸命に助けを求めているのに水中に押し込まれる気分。


くそ丁寧な口調が更に心を蝕んでいく。

『私の言ってることおわかりいただけたかしら?』

『私、何度も先生にお願いしましたよね?なんでやってくれないのかな?』


相手に逃げ場を与えない追い詰め方をする。にこにこ笑いながらトゲを放つ。真綿でじわじわとクビを締めるような、そんな苦しめ方。 私には耐えられなかった。


最初はいちいち落ち込んでいた私だったが、いつしかそれは彼女への嫌悪感へと変化していた。


仕事は完璧にこなせるけれど、子どもの気持ちは本当によく考えるけれど、周囲の人間の気持ちには気を掛けさえしないんだな・・・。


だから絶望の淵にいた私に『先生が元気を出さなきゃ』なんていう、無神経なことが言えるのだ。


最近の私は、一種のアレルギー反応で、彼女の車を見ても、近くを通って、彼女の香水だかシャンプーだかの香りがしても、姿を見るのはもう最上級に嫌悪感が増すようになってしまった。


最初はそんな自分が嫌だった。姿を見るのだけでも嫌なんて、そんな負の感情を持っていることが許せなかった。

でも最近、「いいや、嫌いでも」 と思えるようになって、少し気がらくだ。


別に嫌いだからって彼女にあからさまに態度を変えるわけでもない。普通に同僚としてにこやかに接してるだけでいいじゃないかと思えるようになったのだ。


だって、完璧っていう凶器で、私をズッタズタにしたんだから。絶対に自分が到達できないものを手本にされるの程苦しいことはない。
彼女に気に入られようと必死で頑張ったけれど、どうやっても無理で、彼女の顔色ばかりうかがう日々は、私から私の良さをも奪う結果になった。


「もう、あの真綿で首絞めるみたいなやり方がもうーーーー無理で!」

『そっかー。まだガツンと頭ごなしに言われる方が、耐えれるんやな』

「良い人なんですけどね」

『ほんとに良い人なのかなー?確かに市内でいちばん優秀だって言われるくらいだけど、その裏では先生みたいな思いをしてる人もいると思うんよなぁ。私も去年は全面的に信頼してたけど、今はそうでもないよ』



これが悪口や陰口の部類に入るのか否かはわからない。けれども、色々な人の思惑が交錯する集団の中でこうして誰かに聞いてもらわなければ自分の心が折れてしまうことだってあるのだ。

たとえば、私に休日出勤の日にリハビリに行ったことを咎めたお局様は、あちこちで気に食わない人の不満を口にし、人の欠点を論えることが多々だ。

でも最近は、むしろそちらのお局先生の方が、人間らしさを感じるのである。

彼女は悪口は言うが、隠さない。それが聞こえていようがいまいが意に介さない。他人の気持ち考えたことあるのか?と問いたいほど辛辣な物の言い方をすることも多いけれど、決して後には引かない。


でも、常に正しい立場にいて、私は何も間違った立場にいません的なところに君臨される方が、千の言葉のトゲを貰うよりも、心には堪える。


人の陰口を叩く人は、心のすごく弱い人なのだろうと思った。そして案外、そんな弱い人が多い。今の私も然りだ。

誰も、自分の胸のうちで消化できれば、口には出さない。だけれどもおさまりきらなくて、誰かに共感して欲しかったり、味方であることを確認したかったり、自分は間違っていないと証明したかったりで、この世の多くの内緒話が起こる。


それがわかれば、今まであれほど嫌悪していた、陰口を叩くおとなへの見方が少し変わった。

彼女らもまた、弱いのだ。 


そして自分の心の器の小ささに嘲笑した。


帰路につきながら思う。B先生を散々けなしたA先生に共感してあげればよかった、と。

別に自分はそんなにB先生を嫌いじゃないけれど、A先生としては、誰かに自分のおさまりきらない思いを受け止めて欲しくてぶつけたのだろう。

そういう時、「そうかなぁ?私はそう思わないけど」という答えを返してしまうと、自分なら(わかってくれなかった)と落胆するだろう。

でもたとえそれがウソであっても共感してもらえれば(気持ちをわかってくれる人がいる)って少し前向きになれるんだよね、人間て。



私もまだまだちっさい人間。
真綿でじわじわ・・を許せないんだから。

自分の小ささにため息が出るけれど、仕方ない。今はこれ以上のキャパはないから、許してね。


All man has his faults.なのにね


授業の神様

この仕事をしていると、色々ある。

子ども同士のトラブルはもちろんのこと、教師同士の人間関係も色々だし、教師と子どもとの関わりもそう。
本当に常に神経をすり減らし続ける仕事と言っても過言ではないし、何が何でも教師になりたいという人がいる一方で、絶対に教師にはなりたくないという人がいるのも事実。


自分の不甲斐なさももちろんだけれど、外的な要因でも、何度「辞めようかな・・」と思ったかしれない。

きっと世の多くの教師が同じような瞬間を必ず一度は経験しているに違いない。何の苦労もなく楽しくて楽しくて仕方がなくてここまできた、という人は海に落ちた針を探すくらいの確率なんじゃないかと思う。


じゃぁ一体何が私たちをこの仕事と繋ぎとめているのかと言えば、時折降って来る奇跡の一瞬なのだ。
学校には時々、私たちにしかわからない神様が舞い降りる。




 

・・・つづきはこちら

飼い殺し

年度末の環境整備に明け暮れる今日この頃。

職員室に差し込む夕陽のあかさを見ながら、もう帰ろうと思った頃だ。
校長に、

『めぐさん、ちょっと』と呼ばれた。

新任の頃、赴任してすぐは『ちょっと』と言われると、大抵いいお話が多かったけれど今はそうでない話の方が多い。
そして『ちょっと』は大抵『ちょっと』ではない。まぁ大半の教師の『ちょっと』は長いんだけどねw


「失礼します」と校長室の入り口に立つと、『んー』と曖昧な返事が返ってきた。
ますます嫌な予感がする。大抵このようなシチュエーションでは先生は『はい』と言うのにだ。


早く本題に入りたいようで、すぐに座るように促され、言われるがまま座る。
何の話かはだいたい察しがついたが、その内容は私の想像を遥かに超えるものだった。



中身は来年度の人事のことだった。 転勤はまだないが、校内人事が残っている。

『来年度は2年生にあがってもらう』

今1年生の担任をしている私にとって、その人事は有難かった。去年も1年生を担任していたが、一緒に持ち上がれなかったのを残念に思っていたからだ。
もちろん今の1年生たちもかわいい(性格が)子が多いから関われてよかったなと思うし、去年受け持った子達も学年を離れて距離を置いたから新たな関係が築けた子もいる。 
当時は暴言しか吐かなかった子が『先生今のクラス、どう?荒れてない?』なんて心配してくれるようになるんだからね
荒らしてた張本人がよく言うわ・・・と心の中で苦笑したものだが、その気持ちは素直に嬉しい。


喜んでいたのも束の間。

『副担ということで決まった』

これもなんとなくウワサで耳にしていたから、驚きはしなかった。ただちょっと寂しい気持ちはあったけれど。
子どもと関わる時間が少ないし、学級通信も書けない。学級日誌にコメントをすることもない。

でも副担はいい機会かな、とも思っていた。

なかなか担任を持っていると、他の先生の道徳とか特活とかHRのやり方を見る機会がない。いきなり実践も勉強にはなるけれど、副担なら色々な先生のやり方を実際に見る時間が出来る。
だから色んな先生を見て、今後の自分に繋げていくための時間を持つのもいいと思った。

それに、喧嘩やささいなトラブル、大きなトラブルの処理に疲れていた、というのもある。

良い充電期間にもなるかな、と考えた。


それだけならね。


でも寝耳に水とはこう言う事をいうものである。校長が放った言葉に心が凍りついた。

『(英語担当)授業はTT(ティームティーチング。2人以上の教師で1クラスを担当する)5クラス中、4クラスはT2(所謂補助的な役割) もう1クラスもT1(メインで授業をする方)にするかどうかはまだわからない』


すぐに私はその意味を理解した。が、心がそれを認めようとしなかった。鈍器で思いっきり殴られたような重い衝撃が心を掛けていく。


頭に浮かんだのは、『飼い殺し』という言葉。


担任を外されるのは、納得できる。私自身が子どもと接することに一時的に疲れてしまっていたのもあるから。

でも授業さえもマトモにほとんど持たせてもらえないなんて・・・

授業は教師の要だ。そのほとんどをさせてもらえないのは、私はここにいる意味があるだろうか。


声にならない深い息を吐き、目を閉じた。その時間は一瞬だったが、私には長く感じられた。


『この1年でゆっくり考えてください』と言われた。


これは最後通告なのだろうか。 普通の精神ならば、自分がプライドを持って選んだ仕事でこんな状態なのではやめたいと思うだろう。 でも私は最低1年は頑張ると決めたのだ。1人でも来てといってくれる人がいるから。

去年英語を受け持った子の中には『なんで私らと一緒に上がってくれへんかったん』と少数だが、文句を言ってくれる子もいる。

次は担任か?と聞く生徒に「まだわからんなー」と言うと、こっちの気持ちを見透かしたように『先生は担任せなあかんで』なんてうれしいことを言ってくれる子もいる。


だから、辛くてしょうがないけど、頑張るのだ。少なくても、もしかして同情とかお世辞であるかもしれなくても、1人でもいるから、そういう子が。

でもこれは正直、生活が掛からなければ耐えることができなかっただろう。

何がいちばん辛いって、仕事をほとんどさせてもらえないことと、それでも他の人と同じように給料がもらえる心苦しさ。

でもそうは言っても生活もあるから、きれいごとばっか並べてもいられないのも現実。



もう私は終わりなんだなと思った。
今度の人事で、教師としては再起不能という烙印を押された気がした。
悔しかった。
情けなかった。。
辛かった。


任せてもらえるものが少ない中で何をどう頑張れば、周囲に認められるのか知りたかった。


私、ここにいる意味、ある?                  PART2(後日UP予定)に続く。

Something  BITTER

今日はウチの職場の卒業式
いつもはサティで買った綿パンにテキトーなカットソーといういでたちの私だが、今日ばかりはそうは行かない。
何しろ今日の担当仕事は受付

春うららな日和ならまだしも、寒の戻りで最高気温は1ケタ。冗談じゃない
奮発して、P&Dのブラウスをスーツのインナーにと購入したのだが、寒すぎたwww 

『おめでとうございます』と笑う筋肉も引きつりそうになるわ、式次第を差し出す手はかじかむわでしんどい1日だった。


が、それだけでは終わらせてくれない。 式の間はおとなしくしていてくれたヤンチャ連中が式後、この日のためにあつらえた晴れ着で学校にやってきた。

晴れ着とは・・・


暴走族さながらの色つき学ラン(刺繍入り)

ピンクに水色、オレンジ、緑と目立つことこの上ない。

刺繍もわりとしっかりした質のいいもの。ふと気になったことを聞いてみた。

「それ、いくらすんの?」


聞いて驚くことなかれ。 14万らしい     オーダーメイドのスーツ買えるやん

働かずして14万の服をこの日のためだけに買う中学生・・・かたやこちらは、あくせく働いて吊るしで1万のスーツである。   世の中って何なんでしょう・・・


何はともあれ、ヤンチャ連中をどうにかこうにか帰したところで、ようやく遅い昼にありつく私たち。

式場の片付けも終え、勤務時間終了まであと5分。こんな日くらい早く帰らねばということでコートを着終えた頃に・・・


『1年生の先生ー。事件ですー集合



のーーーーん 学校とは定時に上がらせてくれない場所である。


その事件もどうにかこうにかカタをつかせ、ほっと一息。あったかいお茶をすすり終え、さぁ帰ろうというときに警察から電話
ショッピングセンター内のフードコートで、さっきの七色勝負服とそのお仲間がたむろってて、迷惑しているらしい。。

てか、警察動いてるなら、警察が親に連絡取ってよね。


私がどうこうできることではないにしろ、出払った仲間を尻目に帰るわけにも行かないので職場待機。

7レンジャー(笑)を蹴散らして帰ってきた同僚。やっと帰れると思いきや、地域の方よりお電話。

『派手な格好をした中学生が校舎の屋根にのぼっている』


・・・アイツらだーーーーーーーー。 また帰れない。テンションだだ下がり。


ご丁寧にも、倉庫のドアを蹴破ってくれていた。 遊ぶならおとなしく遊べよー


「おい、ピンクレンジャー(笑)、仲間連れてさっさと帰り。暗なるし」

『先生あそぼーやーー』

「あんたらと遊んでるほど暇ちゃうねん

『ケチ』

なんだかんだ言って、寂しいんだろうな。派手な髪や服もかまってもらうための彼らなりの手段なのだろう。正当なやり方で、気を引く方法がわからないのだ、きっと。

高校に行けば、授業を抜け出してばかりだと在学すること自体が困難になるし、抜け出したからと言って、高校の教師は中学の教師のように追いかけてきてはくれない。
義務教育ではないから、自己責任なのだ。

自分を見ていてくれる人や場所から巣立っていくのが寂しくて、うだうだと教師を困らせてみるんだろう。


なんかな、哀しいな。


蹴破られたドアを男性陣が応急処置し、どうにかこうにか7レンジャーを帰したら19時になっていた。
式典そのものは昼までで終わっているのに、普通の勤務日とそう変わらない退勤時間。

嘆いてみても仕方ない。 これが私たちの仕事

残っているのは、家庭を持たない若い人たちばかり。 

疲れたーと口々に言い合っていると、一緒に残っていた教頭が、『メシ行こメシ』


ちょうど友達に約束をドタキャンされたところだったので、二つ返事でOKをして、車を出した。


そして、この偶然に感謝することになる。やっぱり起きる出来事は必然なのだ。

・・・つづきはこちら

23years....~過去に流せなかった涙~

今週一週間は、隔日ごとに号泣する日々を過ごしていた。


小学校よりも少し遅い体育大会をもうすぐに控え、リレーの選抜メンバーは「出たくない」「メンバーから外れられないなら(体育大会を)休む」などと言っている。


100mや50mのタイムが速いと体育の教師から太鼓判を押されたメンバー。
特に男子は「この4人が出れば優勝する」というお墨付きまで貰った。


わがままを言いたくて「休む」「休む」と言っているだけかもしれないけれど・・・・
あまりしつこいと、だんだん腹立たしくなってくる・・と言うのも教師以前の人間としての私の本音である。


私は50mを7秒や8秒で走ったときの世界がどんなものかも知らない。


それを知っているだけでも充分尊いことなのに・・・。。


私が風を思い切り切って走れるのは、いつも空想の中でだけ。



それでも私にしかわからない事がたくさんある。
それが自分の教師人生の武器になると、
それを武器に出来ると、


思っていた。。。




しかし。


『先生はウチらの知らんことを知ってるかもしれんけど、「普通」の気持ちが全然わかってへん』


たった一言。放たれるのに掛かった時間は5秒と掛からない。
でも私の心を思いっきり凹ますのには充分な一言と時間であった。

とっさに返す言葉が見つからなかった。


どう言って、放課後彼女らを帰したのかうまく覚えていない。おそらく職員室へ戻れとの呼び出しをこれ幸いと抜け出したのだろう。


確かにそう。
私は大多数が知っていることを身を以って知らない。
想像することしか、出来ない。
だから解ってないと言われても仕方がないし、想像すら難しいことだって中にはある。



彼ら、彼女らは、『普通』の気持ちがわかる教師を求めている。
自分たちが日頃知らない世界を垣間見ようという気はないし、それは遠い次元のものだと思っている。


ずっと、自分のこれまでの軌跡を武器にして教師として生きていくのだ、と思っていた。

今の私の価値のすべてを握っているのは管理職でも同僚でもなく、子どもたち。


その子どもらに『必要ない』と言われれば・・・。。


自分のこれまでの人生をすべて否定された気がした。



私の23年間は無駄だったのか。

障害児など欲しくなかったと言われ、近所の子どもの遊びの輪に入れてもらえないこともあり、周りの子と同じように動けないことに内心地団駄を踏み、それをもやがて、諦めていく。

思春期には恋愛をするにもいちいち逡巡し、高校生になると自分の将来に怯え・・・。


出会った人に、単独で・・・時に気が狂いそうになる物事と対峙しながら、それでも何とか折り合いをつけ、自分にまとわりついてくるCPに意味を見出した大学時代。


人より劣っている面が多いのは否めない。でも人間的な部分では、そうでないと思える程のささやかな自信も体得し、子どもらに何かを伝えたい、残したいと思うようになってきた。


今の自分を大事に出来ない多くの子どもに、あなたはただ生きているだけでこんなに素晴らしいと、何かのカタチで実感してもらえたら・・・と。

人より少し多く躓いて、人より少し回り道をした分、躓いた子に手とは言わずとも小指の先くらいでも差し出してやれるのでは・・・
回り道をしてしまった子に、その遠回りの意味を伝えられるのでは・・・


そう思って就いた教職。


でも、私を必要としている人間なんか目の前にいないんじゃないのか。
誰も、私一人いてもいなくても変わらないんじゃないのか。



私の今までって何。

私が今まで筆舌に尽くしがたい思いで飲み込んできた痛みって何。。

すべて無意味なのか。
すべて無駄なのか。。


23年という歳月に疑問を持った。


こんなに感情を表に出して泣くのは、もう、記憶にないほど昔ぶりだ。


私って何。。。




今現在、セカイを見渡せば私より辛い目に遭っている人はゴマンといる。
そんな中、こんな事で落ち込むのは至極贅沢なことなのだろうが・・・・・・



今までの生き方を否定されたようで、
私という人間を否定されたようで、
ただただ、
泣くしか出来なかった。


きっと、うんと幼い頃に、自分自身を誤魔化して流してこなかった涙もふくまれているのだろう。


出てくるやるせない感情の渦にまかせるがまま、ただ、泣いた。




Do you need me?????

教師生活スタート!!

2009年、4月1日。


私の教師人生が幕を開けた


大阪府某所で、教職員の任命式があり、その後、配属先の学校を管轄する教育委員会に赴くというスケジュールになっていた。


任命式では「君が代」を歌う練習をさせられ、初日から自分が公務員になったことを強制的に自覚させられた苦笑



同じ市に配属になった同期と共に、教委の入っている市役所へと向かう。



ひとりひとり辞令を受け取った。



まさかとは思っていたが、自宅が校区になっている中学校だった。
通勤は徒歩7分。自転車で行けば5分あれば余裕で着く。


通勤が楽なのは嬉しいが、校区内に住むことを考えると気が重い。スーパーでジャンクフードばかり買うわけにも行かないし、私服でさえ、少し制限が出てきそう・・・




事務の方に迎えに来ていただき、同じ学校になった同期と共に配属先のK中学校に向かう。


そのまま職員会議に合流するのだ。




まず、校長室に通され、校長から話を聞く。



「この学校は、・・・また違った意味での困難校でして・・・・生徒たちは素直で良い子が多いんやけども、保護者がね、色々な要望や批判をしてくることが多いので、その点は大変かと思います。ですから他の学校以上に自分の言動には気をつけてください。そんなにビビり過ぎる必要はないけれど」



随分遠回しな表現をしたが、要はモン●ターなんとかってやつなんだろう。


尤も、私はその表現はあまり好きじゃない。どの親とて、自分の子どもが一番かわいいというのは理解できるし、そうであるべきだ。
ただ、それが度を越えて、自分の子さえ良ければ他の子はどうでもいいとか思うようになってしまうと問題だけれど。。


そして、校長から衝撃の一言を受け取ったのだった。

「めぐさん先生には1年生の担任を、H先生(同期)には2年生の担任を受け持ってもらいます」


2人して「はい!」と勢いよく言ったものの、内心不安がよぎる。



いきなり、担任んーーーーーー




めぐさん先生デビュー。波乱と共に。。。    続く。

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CPと闘いながら、やさぐれた社会人やってますw

詩を創るのが趣味。でも最近は忙しくてなかなか創作できません。

夕暮れの空が大好きですww
良い空があれば撮り貯めてますが、キレイに撮れないのがなやみ;

このブログでは日常や好きな音楽、本のレビューを綴ります☆徒然なる独り言にお付き合い下さい♪ 

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